第6話コーチング依頼

俺加賀夏樹17歳はコミュ障である。

とは言っても全然喋れないと言う事はなく、いざとなったら話せるタイプのコミュ障である。


「そんな俺がコーチング?それもvtuberの?」


いや〜これどうすっかな……

前からvtuberにはちょっと興味はあったんだけど、流石に知らない人と話すのは緊張と言うか……ぶっちゃけ怖い。


それに……


「この夕凪真白ってvtuberさんって女の人だろ?俺知ってるぞ女性vtuberと関わったらそのガチ恋勢に燃やされるって」


思い出すだけで……

あ〜怖っ あ〜怖っ


「それに俺顔出しどころか声出ししてないんだけどな〜」



実は俺こと加賀夏樹17歳はナツキング名義で動画投稿やプロゲーマーなんかもやっている。


まぁ動画投稿とは言ったものの、編集とかはせずプレイ動画を垂れ流してるだけなんだけどな……


それにぶっちゃけプロゲーマーも名乗ってるけどそんなに上手く無いんだよな〜俺

大会もそこそこの大きさの大会なら何度か優勝した事はあるけど、前出た世界大会を賭けた大会だとおもっくそチームメンバーの足引っ張って最下位になったんだよな……


うっ

思い出しただんだんお腹痛くなって来た……



閑話休題



そんな訳で改めてコーチングのお誘いをもらった訳だが……


「今更なんだが何で俺なんだ?」


いやなんか俺の所属してるチームが、何やらここ最近vtuberさん達とちょくちょくコラボ?の様な事してるらしいけど、それにしても本当何で俺なんだ?


このメールもチーム経由で来てるけど、それならチームマネージャーもメール確認したはずだから、俺がコミュ障なの知ってるはずで……

それに俺がそう言うの苦手だってマネージャーさん知ってるからいつもなら断ってくれてるんだけど……


「も、もしかして大会で足を引っ張って世界大会行けなかった俺への嫌がらせ!?」


いやまさか!

まさか……

………………まさかね。


不安になった俺は直ぐにチーム内チャットでマネージャーに確認した。


俺がメッセージを送ってから1分も経たずに返信はすぐに返ってきた。


「えーっと何々?『今回のコーチング依頼は以前より私達のチームと仲良くさせていただいているvtuber事務所様で、今回もコーチングのご依頼をいただいたのですがその時期は丁度他の者が出払って居るのと、今回を機に是非とも夏樹さんにはその人と上手く話せない性格と、直ぐ緊張してしまう癖を直して頂きたいと思っております。ですので私個人としては是非夏樹さんにこのコーチング依頼を受けて頂きたいのですが、本当に無理でしたら断って頂いてもらって構いません。こちらで別の者を用意させていただきます。』っと」


なるほどな……


俺はマネージャーさんの言う事が事実過ぎて何も言えなかった。


「あ〜うん。受けるかコーチング依頼」


俺は内心で今回の依頼主である夕凪さんに、こんなのがコーチで申し訳ないという気持ちを持ちながらも、マネージャーさんに今回の依頼を承諾するメッセージを送った。


「そうだ!俺は今日真昼ちゃんと真白さんと目を見てしっかりと話せたんだ!いけるぞ俺!頑張れ俺!」


その後俺は自己肯定感と依頼へのやる気を上げる為に、何度も反復して自分を褒めて褒めて褒めまくった。


結果逆にめちゃくちゃ緊張してきた。


「ま、まぁまずは夕凪さんがどんな人か確認する為にも配信でも見てみるか」

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