第26話 対峙

「なぎ、皆に私を紹介してくれ」


 なぎ「あ、あのさ、この人イトウさんって人なんだけど、このゲームでの友達探してるらしいんだ。仲間に入れてもいいかな?」

 辿々しく皆頼む。


「イトウです!よろしくねっ!」

 精一杯の猫被り台詞を言う。


 なぎフレンドの人達は

「あ、女の子じゃん!なぎさんモテるね!よろしくお願いします」

「おー、凄い!めずらしいね、よろしくお願いします」

「なぎさんの彼女?よろしくお願いします」

 等と私を歓迎してくれるが……


 なぎ「彼女なんて……ははは……」

 私(おい、何故はっきり否定しない?命が欲しくないのか?)


 なぎ「は、はいっ!全く全然彼女じゃないですっ!」


 その受け答えはそれはそれで気分が良くない。上手く立ち回れないのかこの男は。


 私も皆に挨拶をする。

 会話の声だけでは人数が多過ぎて誰が誰だか全く判らない。


 そして……

 なぎフレンドの1人「みやです、よろしく」


 ……何処かで聞いた名前だが、まさか何百件あったうちのイキナリ、何て事はないだろう。


「こちらこそよろしく、みやさん。女の子同士仲良くしましょうね」


 なぎ「気持ち悪っ」

 ボソっと呟きが聞こえた。

 やはりこいつ、いつかぶん殴ってやろう。


 みや「……よろしく」

 随分大人しい子だな。歳は私より大分下?

 人見知りしてるのかな?


「兎に角皆よろしくね。所でさっき私と闘った時、指揮を取ってたのは誰?」


 フレンド「みやさんだよ、彼女はこの中で1番強くて誰も勝てないんだよ」


 まさか……いや。考え過ぎか。

 取り敢えずこの子と仲良くなって強くなる秘訣を学ぶ事にしよう。

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