令成5年。地球。とある田舎の車庫のダンジョンにて。
武田佳樹、ネコミミ少女と自宅の車庫のダンジョンを攻略します。
第136話 美剣の発情期? と真奈美の職業。
――――佐藤真治が軽トラごと失踪するという事件が起き。
とある駐在所の軽トラに突然少女が現れるといった出来事が起きてから3年後(令成5年)の時間軸において。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【アンデッドの汚れも臭いも良く落ちます】
「先輩、この洗剤買いましょう」
「ああ、石鹸とシャンプーもセットで」
「ペット用もあるのかニャ?」
探索者専用サイトのネットショップのページを見ている。ここでは日本全国の探索者支援センターにある在庫が取り寄せられる。
各地のダンジョンでは同じ魔物からでもレアドロップ品が異なるものもあり、そのダンジョンでしか出ないものとか、その地方独特のものなどもあるので、各都道府県及び政令指定都市等のセンターごとに買取するものも異なり、自然、販売している内容も各センターごとに特色があるのだ。
この石鹼類は北海道のダンジョンからドロップするらしい。まあ、たしかに牛のマークがついた石鹸は有名だが、なぜに北海道限定ドロップなのだろう? なんか恣意的なものも感じるダンジョンの不思議さよ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「お、今度は普通の奴だな」
「腐ってなくてよかったのにゃ」
「もう体を何回も洗うのは嫌ですからね……」
今日もまたまたダンジョン攻略中。
玄室でエンカウントしたのは
「『
「『
「『
オレは敵を引き付け、それに気を取られた敵をマナミサンが流れるように打ちのめし、美剣が首を刎ね飛ばす。
多少の時間はかかったものの、とくに危ない場面もなく敵を全滅させる。やっぱり美剣が戦列に入ると安定感がぐっと増すな。
「お!? キタコレ!」
「わたしもです!」
「美剣もニャ!」
どうやら、全員一度にレベルアップしたようだ。オレとマナミサンはレベル3、美剣は確かこれでレベル6だったか。美剣よ、強いはずだぜ。
「新しい技かなにか覚えたか?」
「はい、まだはっきりイメージできませんけど、出来ることが増えたような感覚があります!」
「そっか、オレもだ。なにか出来そうなんだが、その何かがまだわからない。たぶん、戦闘の時とか、必要な時とかに頭の中にイメージが流れるんだろうな」
「そうだと思います! 美剣ちゃんは?」
「……邪魔にゃ」
「「?」」
「にゃー! こんなの着てると邪魔なのにゃー!」
そう言うと、美剣は着ていた合成プラスチック製のフルアーマースーツやフェイスガードを脱ぎ捨てる。
「美剣ちゃん? 発情期ですか?」
「違うニャ!」
小ぶりな胸をぷるんとふるわせながら、あっという間におパンツ一枚の姿になってしまったのだった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「にゃー、これで戦いやすくなったのにゃー!」
おパンツ一丁で、小ぶりな胸をふるわせて
「なぜいきなり脱いだ?」
「にゃんか、ラベルが上がったら防具? ってのが急に邪魔に感じたニャ。」
「そんな事って……あ!」
「先輩? 思い当たる事でも?」
「ああ、あれだ、忍者の
「あーまーくらす? ですか?」
美剣の職業があのゲームの忍者の設定に引っ張られているのであれば、忍者はレベルが上がれば俊敏性が増し回避力が増すという設定で、下手な防具を着けているよりも生身のほうが
「おそらく、素の防御力が、その
「なるほど、じゃあ、これから美剣ちゃんは
「猫は全裸がデフォですニャ」
「いや、その設定はもういいから、なにか着ような? そのままだとアンデッドの汁を生身で浴びることになるぞ?」
「じゃあ、裸に透明なレインコートなんてどうでしょう?」
マナミサン、ニッチな趣味はやめてくれ。
「おパンツも邪魔ニャ」
「いや、防具はともかく、全裸じゃなくても普通の服なら大丈夫なはずだぞ?」
ゲームの設定でも全裸で戦うなんて聞いたことはない。おっさんの忍者だったらどうするんだ! 味方全員戦意喪失するわ!
ということで、美剣の衣装? は、ビキニアーマーとかマイクロビキニとかの提案もなされたが、結局はマナミサンが小学校時代に着ていた半袖体操着とブルマーに落ち着いた。田舎おそるべし、まだブルマーがあったとは……。ちなみに体操着の下は
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
次の玄室。
「あっちゃー、またこいつらか」
「くさいのにゃ」
またまたコボルドアンデッド。魔石はコボルドとほぼ同じ買取価格なのだが、レアドロップがなくおいしくはないし臭いしで嫌な相手である。
ちなみに美剣の体操服は、マナミサンが一旦家に戻って持ってきていたので、今の美剣は裸ではない。というかマナミサン、なぜおいらの家に昔の体操着を持ち込んでるの?
「あ、きました! イメージが!」
お、マナミサンの新技発動か?
なにがでるんだろう?
うーん、マナミサン最近変態度増してるからなー、『奇面フラッ〇ュ』とかじゃないだろうな?
「『ファイアー!』」
おお、魔法だ!
メ〇でもハリ〇でもないファイアーだ。
火魔法でアンデッドは良く燃える。一発で一匹が確実に仕留められていく。
次々と火魔法を繰り出し、6匹ほど倒したところでマナミサンが「打ち止めです」と告げる。
そうじゃないかとは思っていたが、どうやら確定だな。
刀に適性を持ち、そして攻撃魔法を覚える。
マナミサンの職業は、「
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます