第3話 八分の一と八分の七
合格発表の掲示板を確認したのが8時半。
アトリエに着いたのが9時過ぎ。
今、枕元の時計を確認すると、昼過ぎ。
「……………………沙友理さん、お腹空いた〜」
寝室のベッドの上、沙友理さんを組み伏せながら耳元で呟く。
「ん、まだ余裕有りそうね?」
「いや、もう無理!一休みさせて?」
「え〜、約束は、『私を1日自由にする』だったわよね!私はまだ、満足してないわよ?」
「合格したらでしょ!休憩無しでとは言ってないと思うんだけど?」
「うん、わかったわ、何か作るね!」
繋がった身体を離して、自身の股間から溢れ出た物をティッシュで拭った沙友理さんが、僕を抱き寄せて首筋に唇を這わせてから台所に向かった。
普通にキスされるよりも、遥かに興奮が湧き上がる。癖になりそうで怖いんだけど。
もう、首筋と耳朶を甘噛みされないと物足りなくなってしまっているし。
「沙友理さん、何か着たほうが…………」
「あら、食べ終わったら、直ぐにまた始めるから要らないわよね?簡単な物しか用意しないから大丈夫だから。」
沙友理さんを見送りながらベッドに転がり、その勢いで起き上がる。
ペットボトルの水を飲み干してから寝室の惨状に改めて気がついて、少しだけ自己嫌悪。
余りにも酷いので、シーツを剥がして新らしく敷き直して、散らかった破れた下着と汚れ物だけを片付けていると、
「克也君、出来たわよ〜」
呼ばれてリビングの椅子に掛けると、台所からうどんの入ったどんぶりと麺つゆを載せたお盆を持って来た沙友理さんが、
「あら、克也君も何も着てないじゃないのよ!」
「沙友理先生を見習いました。」
「も〜、先生は無しね?じゃぁ、食べましょう!いただきます。」
ひと口啜ったところで沙友理さんの携帯電話が震え、相手先の画面表示が兄さんだった。
僕は一瞬ドキッとしたが、沙友理さんは何の躊躇いもなく通話開始する。
「もしもし〜?うん、そう、来てるわよ〜?
今、ヨシヨシと頭を撫でながら慰めてあげてる所よ〜!」
う〜ん、かろうじて、嘘ではないかな?
間違ったことは、言ってない!
激しく、自己嫌悪。
呆けていると、いつの間にか通話を終わらせた沙友理さんが、
「真樹さんが、克也君を早く帰らせろって!皆んなで慰めようと待ち構えているそうよ?」
「えっ、でも、まだ、1日経ってないし。」
「そうね、3時間位だから、八分の一かな?また今度、残りの八分の七を『自由に』させてあげるから早く帰りなさい。」
「えっ、いいの?じゃ、七回に分けてお願いしたいな!」
「ええ、勿論良いわよ。じゃ、万一を考えて、今日真樹さんにも抱かれておかないとね!その為には克也君に早く帰って貰わないとね。真樹さんの後の予定が詰まるからね。」
そう、勢いに任せて、避妊しないでヤリまくってしまったから。
「今日、真樹さんとお泊りデートの予定になったから大丈夫よ?一応、完全な安全日ではないから彼とも『ヤッテ』おくから!
さあ、サッサと食べて、シャワー済ませてちょうだい!此処で待ち合わせになると思うから部屋も片付けないとね?」
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