もふもふの大地

窓辺に 老猫が横たわると

その腹に もふもふの大地が出現する

秋の日だまりで

毛も 耳も 尻尾も 全身が黄金に輝いている


私は好奇心を抑えきれなくなる

すかさず 指の冒険者を派遣した

老猫に気付かれぬよう 慎重に 音を立てず 指の冒険者を近づける

そして、おお 上陸だ

もふっ ふわっ ぬくぬくっ とした柔らかい大地

指の冒険者は、悦びと共に駆け出す

だが ああ、悲しいかな

数歩進んだところで

大地の女神たる猫様によって、神の裁きたる猫パンチがくだされ

我が指の冒険者は、弾かれてしまう


ああ、もふもふの大地よ!

広大なる黄金の大地よ!

次こそはもっと、もふもふしてやるからな!

捨て台詞を吐いて 指の冒険者 もとい、私は撤退するのだった……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る