第672話
「まず、魔物が異常発生している理由ですが・・・」
クロードは何故、魔物が異常発生しているのかファイネルに説明する。
「なるほど・・・。だが、神を相手に戦えるのか?」
「その為に、私が来たのだ」
「と、いうと?」
「私はこれでも日ノ本の国の武神です」
「ほう・・・。って、神様ですと・・・?」
「ついでに言うとクロードは私より強いですね」
「そうなのですか?」
「ええ・・・」
「クロードは一体何者なのか・・・」
「僕は父上とお母様の息子です」
「はは・・・。そうだな。その通りだ」
「それで、事態を解決するために陛下にお会いしたいのですが」
「わかった。明日、共に王都に向かおう」
「はい」
「今日はもう休むといい」
「それでは失礼します」
クロードと共に建御雷神が出て行ったのを確認してファイネルは通信の魔道具を取り出した。
これは魔物の被害が増えた結果、各領主に王家から貸し出された物だ。
ファイネルの持つ通信の魔道具は宰相であるリッチマンの物に繋がっていた。
「リッチマン殿。今、よろしいですか?」
「ファイネル殿か。何かありましたかな?」
「クロードが帰ってきました」
「何?それは本当か?」
戦況は厳しくなっていく一方でここのところ嬉しい連絡などなかった。
クロードが帰ってきたというのはそれほどまでにインパクトが大きかったのだ。
「それで、今、クロード殿は?」
「本日は家に泊まってもらい、明日、共に王都へ向かいます」
「わかった。陛下には私の方から伝えておこう」
「よろしくお願いいたします」
クロードと建御雷神は共にクロードの自室で寛いでいた。
「転移魔法を使えないのは痛いな」
「そうですね・・・。まぁ、この世界は相手のフィールドですからここまで飛べただけでもラッキーと思っていないと」
「それもそうだな」
「このままオーディンが大人しくしてるとも思えませんし次の1手を打ってくるでしょうね」
「そうだが・・・。何をしてくるかわからんな」
「今はしっかり休んで英気を養いましょう」
「そういえば、ここの料理人の腕はどうなんだ?」
「料理長が変わっていなければ期待してていいですよ。僕の料理の師ですから」
「ほう。それは楽しみだな」
クロードが帰ってきたということで料理長は急遽メニューを変更した。
祝いの席ということでクロードが帰ってきたときに味を見てもらおうと考えていたメニューを次々に作っていく。
少々張り切りすぎて作りすぎてしまったが、料理長の作った料理のほとんどは料理を気に入った建御雷神の胃袋に収まった。
それをプロミネンス家の面々は笑って見ていた。
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