第665話
クロードは巨大な鬼の口の部分から内部に入り込む。
内部は臓器のような物がいくつもありそこから小鬼が無限に湧き出していた。
小鬼を相手にしていても仕方ないため進路上の邪魔になる小鬼だけを排除して奥に向かう。
途中から鬼の強さが上がったが、その程度でクロードの進撃が止まるわけもなかった。
妖気をたどり妖気が強くなる方向に迷いなく突き進んでいく。
奥に行けば行くほど鬼の強さが上がっていく。
だが、ここまで襲撃されることを想定していなかったのか鬼達の動きは鈍かった。
刀の一振りで鬼達を斬殺していく。
あっという間にクロードは巨大な鬼の最奥までやってきた。
ドクンドクンと不気味に鼓動する臓器から妖気が溢れている。
これを潰せば鬼の増殖は止まるだろう。
だが、その前に強敵が待ち構えていた。
青、赤、黄、緑、黒の肌をした5匹の鬼だ。
それぞれが下手な神よりも強力な力を秘めているのは肌でひしひしと感じる。
「シンニュウシャ。ハイジョスル」
クロードは時間をかければかけるだけ不利になると感じ、最初から全力を出すことにした。
魔力、疑似神力、神力を練り身体を最大まで強化する。
ぐっと足に力を込め最大速度で刀を振りぬく。
だが、鬼達はその神速の一撃を躱してみせる。
それだけでなく的確にクロードに攻撃をしかけてきた。
クロードは転移魔法でとっさに避けようとするが転移魔法は発動しなかった。
「ちっ」
クロードは攻撃を刀でなんとか受けるがその威力はすさまじく吹き飛ばされる。
クロードは体勢を立て直しつつ転移魔法が発動しなかったのはここが異界に近い空間だからだろうと当たりをつける。
その間にも鬼達は間合いを詰めて攻撃をしかけてくる。
クロードはなんとかその攻撃をさばきつつ情報を集める。
鬼達は確かに強者だ。
だが、クロードは今までの戦闘経験で鬼達の癖を読み取り対応していく。
一撃に拘る必要はない。
わずかな隙に鬼達に確実に傷を負わせていく。
神殺しとしての権能で鬼達は少しずつその力を奪われ弱体化していく。
今はまだ、数の差で補われているが倒すのも時間の問題だ。
最初に赤色の肌をしている鬼が力尽きる。
鬼達はそれに驚いたのか一瞬動きが止まる。
その隙を見逃すクロードではなかった。
一瞬で刀を4振りして残りの鬼も始末する。
「さて・・・。問題は・・・」
ドクンドクン動いている臓器を前にクロードは考え込む。
これを破壊すれば鬼の増殖は止まるだろう。
だが、これだけの力を持ったものだ。
普通に破壊すれば何が起こるかわからなかった。
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