第662話
クロードと詩織と翠は高速連絡艇に乗っていた。
理由はこの海域を守る海上自衛隊からの要請によるものだ。
この海域には鬼が住む島、鬼ヶ島が存在する。
最近、鬼達が本土を目指して海に乗り出すということが頻発していた。
発見次第、海上自衛隊の護衛艦が銀の弾丸で沈めているが弾の消費量が増えて困っているとのことだった。
遊んでいたプライベートビーチも海上自衛隊が鬼を打ち漏らした際、最終防衛ラインとして使うための物だった。
島に近づくと妖気が満ちていることがわかる。
島には定番といえば定番だが角が突き出ている山が存在していた。
「これは・・・」
「どうしたの。クロード」
「いえ。島自体が生きていますね。巨大な鬼です」
驚くことに山と思われた部分は巨大な鬼の頭部だった。
この鬼は地脈に接続してエネルギーを回収して、無限に鬼を生み出しているのだろう。
島に近づくと鬼がまさに海に飛び込んだところだった。
海上自衛隊の護衛艦が海に飛び込んだ鬼に発砲する。
「なかなか、凄いことになってるわね」
「そうですね・・・。まずは、溢れている鬼をなんとかしましょう」
高速連絡艇の速度を上げて、一気に島の乗り込む。
即座に飛び降りてそのまま戦闘に移行する。
倒しても倒しても鬼が集まってくる。
まるで百鬼夜行のようだ。
詩織と翠も頑張っているが鬼が寄ってくるほうが早い。
「2人共。余裕があるうちに休んでください」
「それだと、クロードの負担が・・・」
「いえ。限界を迎えてから脱出するのはリスクが高すぎます」
「翠。ここはクロードの言うことを聞きましょう」
クロードは分体を生み出して一時的な優勢を作り出し2人を高速連絡艇に乗せて脱出させる。
2人が安全な場所に退避したのを確認してクロードはわざと神力を放出する。
鬼達が狂ったように集まってくる。
集まってきたところでインフェルノで焼き払う。
それを何度も繰り返す。
かなりの被害が鬼に出ているはずなのだがそれでも鬼は構わず向かってくる。
それもそうだろう。
表にいる鬼は知能が低く本能に従って行動しているだけだ。
今、相手にしている鬼は雑魚ということだ。
だが雑魚といえどこれだけの数がいるとなると脅威以外の何物でもない。
これをずっと排除していたことを考えると海上自衛隊の負担はかなり大きかったのだろう。
銀を確保できるようになったとはいえ、それを銃弾に加工して運ばれてくるまで時間がかかる。
組織に何とかしてほしいという要望するのは頷ける話だった。
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