第397話
クロード達はクイーンワーカーアント討伐のため予定の日数をオーバーしたが無事に鉱山都市グローリアに戻ってきていた。
「皆さん。お疲れ様でした。皆さんのおかげで事前にクイーンワーカーアントを討伐出来てよかったです」
「苦労はさせられたが蟻共が大挙して押し寄せてくるよりかはマシだな」
「皆さんには予定外の戦いをさせてしまいましたし、これを渡しておきますね」
成果物である鉱石に加えてクイーンワーカーアント討伐の報酬を色をつけて元冒険者達に渡す。
「こんなにいっぱい。いいんですか」
「魔物の氾濫を事前に防いだんです。これでも少ないぐらいですよ」
クロードは高等部の生徒とエリーゼにも同額の貨幣を渡す。
「気前がいいというか。これだけの額をポンっと出せるクロード君に驚くべきか」
「鉱石は全部、僕が引き取りますから。手数料を考えれば僕の方が得してますよ」
普段は一度冒険者ギルドが引き取りそこに手数料がかかることを考えれば直接買い取れた今回はかなりお得だったのである。
「ミスリルとオリハルコンはわかるけどアダマンタイトなんてどうするの」
「僕の師匠の一人であるネツァルさんが研究していましたから何か使い道がありそうなんですよね」
「賢者様ね。あの人って優秀ではあるけれど変人って噂があるのよね」
「変わり者であるのは事実ですね。でも王国への貢献度を考えれば凄い人ですよ」
転移門も元を正せばネツァルさんが開発したようなものである。
煩雑な手続きが面倒だということでクロードが全面的に引き受けたがネツァルさんの貢献がなければ開発は成功していなかっただろう。
今も技術者の指導をしながら趣味全開ではあるが有益な研究をし続けている。
「何はともあれ学園に帰りましょうか」
「そうね。なんだかんだ言って疲れたわ」
「我々はここまでですね。道中お気をつけてお帰りください」
クロード達学生組は元冒険者達と別れて迎えの馬車に乗り込んでいく。
馬車に乗り込んだクロードは流石に疲労が溜まっておりすぐに眠りに落ちていった。
エリーゼはその寝顔を見ながら微笑んでいる。
戦っている姿は凛々しくてカッコよいが寝ている姿も可愛らしくて好きなのである。
「まさかボス討伐に参加させられるとは思わなかったわ」
「お疲れ様でした。まだまだ未熟だと思い知らされましたね」
「そうね。人数が少ないとはいえ支援魔法がなければ何も出来なかったわ」
あれだけの人数に支援魔法をかけたうえで暴れまわっていたクロードと自分をつい比べてしまうが出来ることを一つ一つ積み上げていくしかないのだと演習に参加した全員が思ったのだった。
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