第387話
クロード達が目指す敵中央部はシンラ帝国の誇る重装歩兵部隊が待ち構えていた。
しかし、彼等は予測出来ていなかった。
クロードの命により100騎のワイバーン部隊が槍を投擲しつつ襲い掛かったのである。
上空から襲われると思っていなかった重装歩兵部隊は大打撃を受ける。
陣形が崩れたところをクロードの支援魔法を受けた竜騎士団が突破していく。
それに遅れる形にはなるが王宮騎士団が混乱を広げるように突撃しその後をゲルマン王国の歩兵部隊が傷口を広げるように展開していく。
中央部を突破されるとは考えていなかったシンラ帝国の対応は後手にまわることとなる。
最初の仕事を終えたワイバーン部隊は次の仕事に取り掛かっていた。
相手の伝令兵の動きから相手の指揮官の所在を把握する。
指揮官の居場所を突き止め襲撃をかけるのがワイバーン部隊の仕事だったのである。
上空から襲いかかる為、防御陣地は役目を果たすことはなかった。
脆弱な司令部を容赦なくワイバーン部隊が強襲する。
クロードからは指揮官を取り逃してもよいと言われていたので強襲を一度かけただけであっさりとワイバーン部隊は引き上げる。
クロードは指揮官を討ち取れればそれに越したことはないがワイバーン部隊に犠牲者が出るのは釣り合わないと考えていた。
強襲させた目的は上空に意識を割かせることにより司令部を防衛しなければと思わせることだ。
防衛させることにより通常より伝令の伝達速度が遅くなり主攻である地上からの攻撃に対応するのを少しでも遅くさせる目的であった。
クロードは精密なコントロールでいくつものファイヤアローを敵兵に容赦なく放ちながら通るのに邪魔な敵兵を斬り捨てていく。
重装歩兵部隊の装備もクロードのファイヤアローと刀は易々と貫いていた。
竜騎士団の面々も主であるクロードに続けと全力でそれに応える。
流石に竜騎士団の装備では重装歩兵の装備を易々と貫くことはできなかったが竜騎士団の面々は突破することを重視し怯んだ隙に通り抜けていった。
シンラ帝国の重装歩兵達は何だったんだと思いつつ部隊長の指示で穴を塞ごうと動き出した時、王宮騎士団からの突撃を受けまたしても混乱することとなる。
混乱から回復したと思ったらゲルマン王国の歩兵部隊が迫っておりシンラ帝国の誇る重装歩兵部隊はほとんど何も出来なかった。
突出しているクロードと竜騎士団は無事仕事を終えたワイバーン部隊の誘導に従い真っ直ぐに敵司令部を目指し突き進んでいたのである。
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