第353話
無事に復帰したクロードの元には国王陛下のポセイドスから技術指導の依頼が入っていた。
受けてもよかったがクロードが授業を受けている間は空き時間となり無駄な時間となってしまう。
そこでクロードはプロミネンス侯爵領で研究を続けている師匠であるネツァルさんを迎え入れようと画策することとなる。
国王陛下のポセイドスからは許可を得たのでネツァルさんを説得すべくプロミネンス侯爵領の屋敷へと転移魔法で飛んだ。
「クロード様。おかえりなさいませ」
「ネツァルさんは部屋かな」
「お部屋にいるはずでございます」
「わかった。ありがとう」
ネツァルさんの部屋に着くとノックしてから入室する。
「ネツァルさん。お久しぶりです」
「おぉ。クロードか。息災か」
「少し前に無茶して倒れましたがこうして元気ですよ」
「若いからといって無茶はいかんぞ」
「肝に銘じておきます」
「それで今日は何用かな」
「国王陛下から魔道具製作の技術指導を頼まれたのですけどネツァルさんにお願いできないかと」
「ふむ。儂はこの環境に満足しておるのだが弟子からの頼みだ。引き受けよう」
「ありがとうございます」
「それではファイネル殿に早速報告にいこうか」
「はい」
ネツァルとクロードは連れ立って父であるファイネルの執務室に向かった。
「失礼します」
「ネツァル殿とクロードか。ちょくちょく帰ってきているが大丈夫なのか」
「学業も頑張っていますのでご安心ください」
「それならいいが。二人揃ってきたということは何か相談事かな」
「国王陛下から魔道具製作の技術指導を頼まれましてネツァルさんにお願いできないかということでして」
「なるほどな。ネツァル殿の研究成果は大いに助かっているが陛下からの依頼となるとそちらが優先されるだろうな」
「技術指導が終わればまた戻ってくるつもりです」
「そういって頂けると助かります」
無事、父ファイネルの許可も得たことでクロードとネツァルは転移魔法で王都へと飛んだ。
クロードは学園を案内して提供されることとなる建物を目指した。
機密を守るために近衛兵が特別に配備されており弟子となる人達も既に集まっていた。
「皆の者。お初にお目にかかるネツァルじゃ。諸君には錬金術と魔道具の技術を学んでもらうこととなる」
「よろしくお願いします」
「無事に顔合わせもできましたし僕は失礼しますね。時間が出来たらちょくちょく顔を出す予定です」
「こちらのことは心配せず存分に勉学に励むとよい」
「はい」
こうしてネツァルによるスパルタ教育がスタートした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます