第338話

クロードのもとにコーヒー部門の責任者の男性が訪ねてきていた。


「直接来られるなんて何かありましたか」


「売れそうな商品を発見しまして、厨房をお借りしてもよろしいですか」


「どうぞ」


しばらく待っているとスパイシーな香りが漂ってくる。


「お待たせしました」


責任者の男性が作ってくれたのはスープカレーにナンだった。


「いただきます」


クロードはナンをちぎりスープカレーに浸して食べてみる。


かなりスパイシーで辛いがこれはこれで美味しい。


「辛いですがこれはこれで美味しいですね」


「現地では家庭ごとに味が違うそうですが売れそうだと思いましてよろしければ輸入の許可をいただければと」


「わかりました。許可を出しましょう。商業ギルドと交渉して人員を確保して露店で販売してみましょう」


「ありがとうございます」




クロードと責任者の男性はそのまま商業ギルドを訪ねた。


「ようこそ商業ギルドへ。本日のご用件はなんでしょうか」


クロードは貴族証を呈示しつつ説明する。


「新しい商売をはじめようと思いまして。人員を確保できないか相談にきました」


「どうぞこちらへ」


クロードと責任者の男性は応接室に通されすぐに職員がやってくる。


「新しい商売とのことですがどのような形を考えておられますか」


「露店で珍しい食べ物の販売を考えています」


「そうなると露店販売の許可と料理の出来る人がよいですね。ただいまリストをお持ちします」


しばらく待っているとリストを抱えた職員が戻ってくる。


「こちらが該当者のリストとなります」


クロードと責任者の男性はリストを確認して誰を雇うのかを相談する。


長時間働いてもらうことを考えて若い人を中心に5人雇うことにして相談を持ち掛ける。


「こちらの方々でお願いします」


「わかりました。続いて場所ですが人気の場所は料金が高くなっておりますがどうしますか」


料理を広めることが目的であるのでクロードは迷わず即決する。


「人気の場所でお願いします」


「わかりました。それではこちらに記入をお願いいたします」


クロードは内容を確認して記入を済ませ提示された金額を支払う。


「雇われた人々には明日露店の場所に向かうよう伝えますがそれでよろしいでしょうか」


「それで構いません」


「本日はご利用いただきありがとうございました。また何かございましたらお越しください」


クロードと責任者の男性は続いて露店で使う料理器具や食材を買うべく市場に移動した。


責任者の男性は宿を取っているということで途中で別れクロードは寮へと戻った。


明日も授業があるため雇った人々の指導などは責任者の男性に任せることとなる。

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