第177話

「せっかく三人揃ったので食事にでも行きませんか」


「食事にはまだ少し早くないか」


「それなら私買い物に行きたいわ」


「僕は構いませんよ」


「俺もだ」


「それでは決定ね」


クロードはクラウス兄様とアイリス姉様と商店街へと向かった。




服飾店を中心に小物やバックなどを見ていく。


「ナチュラルにクロードが支払ってるがいいのか」


「え」


「え」


「何でそこで二人して驚くんだ」


「誘ったのは僕ですし大した額じゃないですよ」


「そんなこと言いつつクラウス兄様も払ってもらってるじゃない」


「それはそうなんだが」


何か釈然としないという顔をクラウス兄様がしている。


「それはそうとそろそろいい時間じゃないですか」


「そうね。御飯にしましょう。いいお店があるのよ」


荷物にならないように買った品はクロードがアイテムボックスに預かる。




向かった先は有名店ということで空きがあるか心配だったが三人分の席を確保することに成功する。


「ここの料理は絶品よ。楽しみにしててね」


次々と運ばれてくるコース料理を堪能する。


未成年ということでクロード達が飲んでいるのは葡萄ジュースだ。


「あ。この葡萄ジュースうちの領で造っているものですね」


「へぇ。クロードの領地はこんな物も造っているのね」


「気に入ったのなら何本かあげますよ」


「いいのか。クロード」


「大切に飲ませてもらうわね」


デザートも食べ終え会計をすませて店を後にする。




アイリス姉様を女子寮まで送る。


「わざわざ悪いわね」


「いえ。女性の一人歩きは危ないですから」


「買った物が多いので部屋まで届けますよ」


「ありがとう」


「それじゃ。俺はいくな」


クラウス兄様に買った服と葡萄ジュースを渡して女子寮の前で別れる。


クロードはアイリス姉様に続いて女子寮に足を踏み入れついていく。


「ここが私の部屋よ」


アイリス姉様は部屋に入って手招きする。


「アイリス帰ってきたの」


「サーシャ。ただいま」


「あら。可愛いお客様ね」


「弟のクロードよ。荷物を運んでもらったの」


「クロードです。サーシャ先輩。よろしくお願いします」


「これはご丁寧にありがとう。サーシャよ」


「クロードここに出してくれるかしら」


空きスペースをアイリス姉様がしめしたのでそこに買ってきた物をアイテムボックスから取り出す。


「これはまた色々買ってきたわね」


「後はこれがうちの特産の葡萄ジュースです。サーシャ先輩もよかったら飲んでください」


「ありがとう」


「それでは僕は失礼しますね」


「気を付けて帰るのよ」


用事を済ませたクロードは自分の寮へと戻るのだった。

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