第137話
クロードは鏡のようなものの破片をアイテムボックスに回収して念のため魔物を討伐しつつ他にもないか森中を探索することにした。
結果からすれば大量の魔物を討伐しただけで鏡のようなものは存在しておらず謎は深まるばかりである。
ニーパスの領主館に戻ってきたクロードはミッシェルと森にあった鏡のようなものについて話していた。
「よくわかりませんが陰謀のようなものを感じますね。ここ最近増えている魔物被害とも無関係ではないでしょう」
「僕は王宮にこのことを報告してきますね」
「こちらは被害の増えている場所に似たようなものがないか確認をしておきます」
クロードは転移魔法で王都に飛びその足で王宮を訪れた。
待たされることなく宰相のリッチマンの執務室に案内される。
「クロード殿。本日はどうなされた」
「先日ニーパス領で魔物が大量発生している森を探索したのですが鏡のようなものから魔物が飛び出してきたのです」
「俄かには信じがたいがそれが本当であるなら一大事だな。陛下にも話して対策を練らねばならぬだろう。クロード殿ついてきてくれ」
宰相のリッチマンに連れられ廊下を歩き陛下ポセイドスの執務室へと訪れる。
「陛下。失礼します」
「何かあったのか」
「クロード殿より魔物の増加の原因と思われる報告がありました」
「詳しく話を聞こう」
「先日我が領でフォレストウルフの群れが異常発生しましてその対応で討伐に赴いたのですが森の奥に鏡のようなものがありそこから魔物が出てきたのです」
「なるほど。自然発生したものもあるだろうが他所から流れてきていたわけか」
「鏡のようなものを守るようにケルベロスが番をしておりました」
「伝説に出てくるような魔物ではないか」
「これが鏡のようなものの破片です」
クロードは鏡のようなものの破片をアイテムボックスから取り出す。
「これがそうか。急ぎ調査させよう」
「陛下。これは人為的なものを感じますが対処が必要です」
「諸侯に調査を命じ強力な魔物が出てきた場合は騎士団を派遣することとする」
「クロード殿の竜騎士団にも働いてもらうこととなるだろう」
「全力で取り組ませていただきます」
「ところでクロードよ。この後時間はあるか」
「ございますが」
「それならお茶に付き合わんか」
「喜んでお付き合いいたします」
クロードは何か内密の話でもあるのだろうかと身構える。
「では参ろう」
国王陛下に続き廊下を進みテラスまで案内される。
そこには第10王女のエリーゼがいたのである。
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