第117話
数日が経ち到着を待っていたプロミネンス侯爵領の鍛冶職人達がやってきた。
訓練の合間を縫って職場となる鍛冶屋に案内する。
「ここが今日から皆さんに働いてもらう鍛冶屋になります」
「一から設備を作るとなると大変だったので助かります」
「それで皆さんにはこちらの工房で働いている職人さん達への指導も頼むことになります」
「わかりました。きっちり鍛えて一流の職人にしてみせます」
プロミネンス侯爵領からやってきた職人達は新しい職場だと言われた鍛冶屋に入っていく。
「今日から世話になる」
「話は聞いてるぜ。一から勉強しなおすつもりでやっていく所存だ」
「職人同士言葉はいらないでしょう。早速仕事をはじめましょう」
「流石はクロードの旦那だな。素材が大量に用意してあるぜ」
「まずは皆さんの腕を確かめさせていただきます」
「わかった。皆久々の仕事だ。張りきってやるぞ」
元々いた職人達がそれぞれ自分に出来る最高の仕事を披露する。
「なるほど。腕の程はわかりました。それでは私達が手本をみせます。お前らやるぞ」
ここに送られたプロミネンス侯爵領からやってきた職人たちは見事な腕をみせる。
「はぁ。実力の差を思い知らされるな。あんた達に指導されるなら納得だ」
こうしてニーパスの鍛冶屋は新しく出発したのであった。
クロードが騎士団員候補達をしごいているとカリオンがやってきた。
「クロード様。侯爵様の命でカリオンただいま到着いたしました」
「カリオンさん。お待ちしていました」
「失礼ながらクロード様が直接指導をしていたのですか」
「他に適任者がいませんでしたので。これで僕も他の作業に集中することができます」
「この場はお引き受けいたします」
訓練の引継ぎを行ったクロードはニーパスの領主館にやってきていた。
「ミッシェルさん手が空きましたので何かできることはありますか」
「間もなく王都からの移住者の第一陣が到着いたします。住居の案内の後仕事の工程を説明していただけると嬉しいのですが」
「わかりました。説明書も用意してましたが最初はやはり直接指導したほうがよいですよね。引き受けました」
到着した王都の貧民街の人々は住居に案内された後職場と言われた大きな建物の前に集まっていた。
「ここが皆さんに働いてもらう工場になります。早速入りましょう」
勇気を振り絞り後に続く。
「まずは僕が手本を見せますのでみていてください」
クロードは携行食を作るための工程を丁寧に説明しながら実演する。
「皆さんには分業して作業をしてもらいますので全ての工程を覚える必要はありませんがこれで以上となります」
これならなんとかなりそうだと移民達はほっとしていた。
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