第115話
クロードはプロミネンス侯爵領の鍛冶屋にやってきていた。
「クロード様。いらっしゃいませ」
丁度休憩をしていたのか珍しく親方が店のほうにいた。
「親方。よい素材が手に入ったので加工をお願いします」
「クロード様がそういうってことはよっぽどなんだろうな」
まずは中級竜の鱗と牙や爪を出していく。
「見たところドラゴンの素材みたいだがこれだけの量があると感覚が麻痺してくるな」
ドラゴンの素材は下級竜でもレア素材である。
それが山として積まれているのだ。
「中級竜の素材はこれで全部ですね」
「まだあるのか」
「こちらがメインです」
炎獄龍と風帝龍に震洪龍さらに水神龍の鱗と牙と爪をアイテムボックスから取り出す。
「見るからにやばそうなオーラを放ってるんだが」
「フィールドボスの龍の素材です。親方なら加工できると信じていますよ」
「信頼はうれしいが俺でいいのか」
「親方だからこそお願いしているんです」
「わかった。やってみよう」
説得の終わったクロードは鍛冶屋を後にして去っていった。
親方は工房で檄を飛ばしていた。
「お前らよろこべ見たことも触ったこともないような素材を任された。今まで以上に大変だろうがやってやろうぜ」
この日を境にどうやって加工したらいいのかの研究が開始されさらに腕をあげていくこととなる。
ロビ達は王都の貧民街を駆けずり回っていた。
クロードから頼まれた移民を確保するためである。
仕事もなくやる気のない人間を送り込めば問題になるため働く意識のある人材を探す必要があるためだ。
働く意思があっても散々嫌な目にあってきて信頼できないというような人の説得も含まれておりロビの所属する闇ギルドは投入できる人材の多くを割り振っていた。
「はぁ。俺たちの縄張りの人は大体まわったな」
「これ以上確保するとなると他の組織の縄張りに侵入することになるがどうする」
「うちは戦争できるだけの戦力がない。今は不信感を持っている人の説得を続けよう」
「わかった」
移民先を紹介してもらえると噂が広まり自然と組織に所属していない貧民街の住民が集まってくるようになるのに時間はかからなかった。
クロードはニーパスに飛び騎士団へ立候補した団員候補の前に立っていた。
「本日より訓練を開始する。諸君は泥にまみれ泥水をすすることになるだろうがどうか耐えて立派な騎士になることを願っている」
この日後に竜騎士団と呼ばれる騎士団の産声が密かにあげられたのである。
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