第73話 お仕事

 昨日から家でお仕事をはじめた。要は内職。なので、ばあが興味津々で窓にへばりつく。

 ( ̄▽ ̄;)


 録りためていた録画を流しながら、ヒーターをつける。温かい。至福。

 (///∇///)たまら~ん♡幸せ~♪


 途中で洗濯物を干しにばあの所へ行き、お喋りしながら干していると、


「1円稼ぐのは大変だべ」


 と得意気に言う。

 仕事をする女は生意気だと仕事を辞めさせ、あんたはあたしらの介護をするの! と50で全てを強引に押し付けて引退、何でも思い通りに動かせる生身のAIに仕立て上げた。「あんたはあたしが手の上で転がしてるの♡」と本人に言う女帝、無給で無休……いや、金払っての無給で無休。そして伝説のような嫁いびりも楽しかっただろうね。へー、今時こんなことするんだと感心した。将来『女帝』という題で何か出そうかと考えたこともあった。文字書けないけどね。

 その女帝が『1円稼ぐのは大変だべ』って言うんだ~。すごいね~。ビックリだね~。(その間1秒)


「うん、そうだね~」


 とりあえず転がされとく。女帝さん面倒だし。内職、堂々と暖が取りたくて始めた。そしたら夏場もクーラーつけれるじゃん。生きるためには理由がないと動けないのです。この家は。

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