暗闇の眼光
アーディ
第1話 夜のドアに浮かぶ黒い髪の女
私は週末によく友人(アサト)の家に遊びに行っていた。アサトは実家を出てアパート暮らしをしていて夜間の大学に通いながら昼間は都内で営業のバイトをしていた。
大学もバイト先も都内でだったのでいつも電車での移動が多かった。私はというと地方のそこそこの大きな企業に務めていて2交替勤務をしていて、その日は早番で週末の金曜日であった。
早番は勤務時間が6:00~14:00なので自宅に帰って風呂に入ってからのんびりして19時に家を出た。金曜日は仕事が終わってから家に帰り休んでから夜に車で出発しアサトの家によく転がり込んでいた。
そんなこんなでアサトの家に着いたが、いつもは20時位には居るはずの時間にアサトは居なかった。電話をすると電車で人身事故がありしばらく電車が動かないので帰るのが遅れるというのだ。
仕方なく適当に時間をつぶしてから3時間位待っただろうか?携帯電話が鳴り23時過ぎには帰れるので駅まで迎えに来てくれとのことだった。
アサトは霊感が強いらしくよく霊からみの話はよく聞いていたし、心霊スポットとかにも一緒に出掛けたりもしていた。車が停車出来ないと困るので早めに駅に車で向かう。
アサトが来たので近くに行くといつもとは違い少し暗い表情だった。電車で「疲れたのか?」と聞くと空腹だからどこかで食べて行こうというので近くのファミレスに向かった。
ファミレスに着いてアサトはオーダーする。私はあまり空腹ではなかったのでホットコーヒーをオーダーした。アサトの表情はやはり暗かったが疲れているのかと思い、食べている間はこちらから話し掛けなかった。
アサトが食べ終わりゆっくりした所でアサトは話し始めた。電車で帰る途中、人身事故があってしばらく電車が動かなかったので遅れてしまったのだとか。
そして何かが着いて来てしまったと言うのである。人身事故にあった霊ではないかというのだ。嫌な所に来てしまったと思ったがもう遅い。
いやそれもっと早く言ってよ。
もっと前に聞いていたら帰ったよ。
何やらその霊は女性らしいとのことだった。
アサトが言うには「怖いから誰か居て欲しかったんだよ。」
そのままアパートに帰り少し話して炬燵で寝た。ここからは夢か現実か曖昧なのだが夜中に体が動かないのに気付いて目を覚まし、目だけが動いたのでその時に、見たこともない黒髪の女性の顔だけが玄関のドア付近に見えたのである。
その後、頭を掌の様なもので叩かれた様な気がするのだ。女性の特徴は髪はストレートの黒髪のロングヘアーで顔は面長で色白の25歳〜30歳代位の女性である。
しかも何かに怒っているように見えたのだが、もう怖くって目を閉じてお経を唱えていて知らないうちに寝落ちしたのだ。時間はおそらく駅から出てきたのが23時30分過ぎでファミレスに着いて1時間位いてアパートに帰って1時間は話していないと思う。
たぶん深夜1時30分あたりのは寝ているはずだが、私は早番の為いつも早朝5時位に起きていたので常に眠かったので寝付くのはとても早かった。たぶん3時過ぎだと思うが、寝付いてから1時間30分位の所で起きているので普通なら起きない時間である。
今でもその時の顔が頭の中に映像として浮かんでくるのである。
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