第13話 部屋に新しく来た奴

そんなこんなで俺は雑居房に戻ってきた。だが、雑居房に変化があった。雑居房は、もともと名前だけでそこにいるのは俺と鈴しかいなかったのだが、新しく囚人が入ってきた。そして、なんというか当たりがキツイのだ。別に喧嘩とかじゃないのだけどね。例えば最初鈴が話しかけようとしたらしいのだが、オール無視だったらしいのだのだ。俺が部屋に戻った瞬間に鈴が涙ながらに飛びついてきて報告してきた。俺もも話しかけようと試みたが返事は「フーン」などで全く興味を持ってくれない。ちなみに看守にはもっとあたりが強く、尾崎が注意をした際にそのまま喧嘩に持ち込んだほどだ。まぁ当たり前のようにボコボコにされてたけどね。でも、楽しそうにしていた。もしかして強い奴に興味があるのだろうか。だったら俺も喧嘩に持ち込めば俺に興味を持ってくれるかも。ということで、俺は喧嘩を売ってみた。

案外普通に買ってくれた。鈴が「よーい。はじめ!」というとそいつは俺に殴りかかってきた。一発目は避けれたが、二発目に来た蹴りが当たったので、俺も蹴り上げる。するとそいつは嬉しそうに笑っている。なんだ、やっぱり戦闘狂だったのか?

そしてしばらく喧嘩していたところいきなり胴が太く、長い蛇が俺の腕に巻き付いてきた。そしてそのまま俺の腹にも巻き付いて俺は身動きが取れなくなった。

そしたらあいつは「俺の勝ちだな」と言ってニヤッと笑った。

「なんだ。お前しゃべれるのかよ。そういえばお前の名前はなんていうんだ?」

「俺の名前は瑠樹だ。能力は蛇を召喚して操る能力だ。言っておくがこれに制限時間などはないぞ。弱点はあるがな」「そういえばお前は何して捕まったんだ?」

「俺は復讐屋ってんのをやってて、ちょっとミスして捕まった。ま、要は裏社会の人間ってことだな。で、お前は?」「俺は、濡れ衣で捕まった」「へーそうなん?だからあんなに脱獄熱心だったんか?」「それもあるが、なんか楽しくてね」

「もしかして鍵とか持ってる?」「鍵なら5本ぐらい持ってるけど」白井に取られていなければ7本だったのになぁ。

「なんでそんなに持ってるんだよ...まぁいいか、一本貸てくれないか?」

「いいぞ」そう言いながら俺は持っている鍵から一本出して渡した。

「ん、ありがと。どうせならお前も来る?」と言いながら瑠樹は鍵を受け取ると周りを確認し始めた。「そーだね。俺も後から言って看守から鍵を奪おうかな」

「いやコレクションかよ笑」「まぁね」

そんな感じで俺と瑠樹は仲良くなった。

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