第60話 日本代表インタビュー
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月刊Quest for Mystery
目次
:祝!美少女日本代表特集:13p
:日本代表インタビュー :14p
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(14ページ中ほどから抜粋)
Q.みなさん初の日本予選通過とのことでしたが、EブロックFブロックと共に様々なドラマが生まれました。今回の日本予選を振り返っていかがだったでしょうか?
AKIHO選手:
『そうですね、私はEブロックでの予選参加でしたがみなさん本当にお強かったです。なので序盤は後れを取りましたが、中盤から終盤にかけて"魔力爆発"の精度も安定してきて、なんとか終盤戦に持ち込むことができました。
特に印象に残っているのはBeta選手との最後のフロアボスを巡った駆け引きですね。どちらがラストヒットを取るか……言葉こそ交わしていませんでしたが、互いの動きを通して綿密なやり取りがありました。
最後の最後で明暗を分けたのはやはり、魔力爆発です。
RENGEちゃんにもらったキッカケでひとつの目標だった日本代表に内定できた……今はそれがとても嬉しいです!』
ShanShan選手:
『予選が終わったら学校のみんなからいっぱい"すごいね"って言ってもらえて、たくさんの人に注目されてたんだなーというのが改めて分かりました。
RENGEちゃんの動画を観て面白そうだなと思って妹といっしょに始めたRTAで、こんなにもすごいことになるとは思ってなかったのでビックリです。
でも、次の大会でも妹と二人三脚で頑張りたいなって思えた、素晴らしい経験のできた日本予選でした!』
FeiFei選手:
『オネーチャンといっしょに速く走れたのが楽しかったヨ!
RENGEのおかげでモンスターもぜんぜんいなくて、信号の無い道を走ってるみたいで気分爽快だったネ!』
RENGE選手:
『……あの、無我夢中だったというかなんというか……何も覚えていなくて、その、本当にすみません……』
Q.その……RENGE選手にズバリお聞きしたいのですが
RENGE選手:
『は、はい?』
Q.普段、どれくらいの頻度でモンスターを調理されるのでしょう?
RENGE選手:
『一回もしたことがありませんっ!!!』
* * *
「あーーー! もぉぉぉっ! やらかしちゃったよぉぉぉッ!!!」
自宅。
発売された私の"いんたびゅー"が乗っている雑誌を載って、ジタバタせざるを得ない。
その受け答えで、というよりかはむしろ予選でのことだけど。
「どーして寝ちゃったんだろ、ナズナとあんなに特訓したのにぃ……!」
「まあいいじゃない。予選の後に施設長に本物のウナギもごちそうになったし。結果良ければ総て良しよ」
「良くないよっ! 私、みんなにモンスターを食べるって勘違いされちゃってるんだよっ?」
「ふーん」
ナズナは私の話を聞いているのか聞いていないのか、記事をチョキチョキと切りながら鼻歌を唄ってご機嫌な模様だった。
なんで?
「ねぇナズナ、切った記事をどうするの?」
「スクラップブックにまとめるの。お姉ちゃんのことが記事になるなんて、昔ウッカリ山の中で"竜"を召喚して逃がした以来だし」
「ああ……そんなこともあったね。いまドコに居るんだろ? って、アレ? それって記事になんてなったっけ?」
「マイナーなオカルト雑誌でね。他にもUFOとか隕石とか、お姉ちゃんの"やらかし"の影響で起こった事象に関する記事は結構出てるのよ?」
ナズナは日に焼けたスクラップブックを大事そうに開くと糊でペタペタと記事をくっつけていた。
私のことなんかをまとめて楽しいのかな?
まあ、ナズナが楽しんでるならそれでいいけど。
そんな時だった。
ピリリリッ!
「あ、ナズナ! "すまほ"が鳴ってるよ、私の!」
「うん。出て?」
ピリリリッ!
ピリリリッ!
「……どうやって?」
「緑色の"通話"を押すの……って、買ったときにも教えたでしょ?」
「お姉ちゃん、こういうの苦手なの……」
おそるおそる、緑色のボタンを押して"すまほ"を耳に当てる。
「も、もしもし……花丘ですが」
『レンゲちゃん、おはよう!』
「あっ……AKIHOさんっ!?」
『えっ、うん。この前連絡先交換したよね? 名前出てなかった?』
"すまほ"を離して見てみる。
あ、ホントだ。
"あきほさん"って表示されていた。
「す、すみません……見えてなかったんです」
『あはは、慣れるまでは仕方ないよね。ところでさっそくで悪いんだけど、今日の用件についてね』
「はい」
『今度ね、日本代表メンバーで集まって一度話しておきたいの。次のアジア予選で行なわれる【協力型RTA】についての話をね』
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