田舎

「お兄ちゃーん着いたよー」

「んあ?もう着いたのか」

 俺は親戚の住んでいる、山間にある小さな村へと来ていた。

 小さなディーゼルカーから降り、妹と一緒に駅を出る。

 様子はまさにのどかな田園風景といった感じだ。大きな新緑の山、遠くまで広がる田畑、どこまでも続くように見える線路に、所々に何軒か集まっている住宅。       

 親戚の住む、周りの家と比べても特に古い、“これぞ日本の家”というような家を探す。

「お〜いこっちだぞ〜」

 遠くから聞き慣れた声がした。

「あっちみたいだ。行くぞー」

「はーい」

「おおー君たちも大きくなったなぁ・・・何年生なんだい?」

「中学1年と小学4年です」

「はぁ〜もうそんなになるのか」

 俺たちはしばらく会話を楽しんで、数年ぶりに入る家へと入った。

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