第7話 茂登子3
元この実家は奥品野にあった。街の中心、学校や商店街のある場所とは 離れた 何もないようなところだった。奥品野はもう何十年も新しい店舗もできず 何も変わっていなかった。一時期新しい住宅が増えたこともあったが、その後は何の変化もない。10年経とうが20年経とうが何も変わらない。おそらくこの先も全く変わらないだろう。奥品野では時間は完全に止まっていた。
新しい風が吹くとしたらそれは反対側 茂登子の実家と反対側にある品野の南側企業団地 と呼ばれているところからだろう。茂登子も卒業した後そこの中にある企業に就職した。品野では産業 らしいものは農業の他には 企業 団地の中にあった。ここには新しく どんどん大きくなっていく力を持った企業が集まっていた。茂登子も18歳で高校を卒業した後企業団地にある新進気鋭の企業に受付嬢として就職した。新しい企業ではあったが itと地場産業である陶芸に精通していた。
その企業の受付嬢として就職したのだ。受付嬢はその企業の顔 だ、茂登子の顔がその会社のイメージになってしまうと言ってもいいだろう。茂登子なら大丈夫だろうと思った。どこの企業の受付嬢として出しても引きを取らないだろう。
中学生の頃の茂登子も綺麗だったが卒業して社会人になった茂登子は素晴らしく 美しかった。今度は会社内だけでなく噂は相手企業にも広がり企業団地内とその関係 企業のでも茂登子は 評判 だった。だから茂登子の結婚は早かった。就職してすぐに見初められて、成人を待って すぐに結婚だ。何の躊躇もなかったんだろう男の方は当然だが、茂登子の方にも迷いはなかったらしい。決まる時はこんなものだ。あれこれ 情報を仕入れるとろくなことにはならない。運命を見失う前に さっさと結婚した方がいい。若く未経験な2人は運命に導かれるまま結婚した。
美しい人 瀬戸はや @hase-yasu
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