2024.7 『阿南の化猫ばなし』の三毛です🐱
三毛です。甲子園大会の徳島県予選が始まったようやね。
今年もまた猫も狸もしっかり出よるな。県高野連の仕様書通りの見事な化けっぷりや。うちはお松大権現の由緒正しい猫又のはずやのに、甲子園のマウンドであろうことか二股の尻尾を丸出しにする大失態を演じてしもうたんじょ。ほなけん、後輩の猫ども、あと狸どもも、最後まで毛一筋出さんときっちり化け切れるよう、しっかり応援せななぁ。
こないだ、カクヨムではないんやけど、人間様の書いたこんな作品を目にしました。主人公の子がうちと同じピッチャーで、うち同様田舎の学校で、周囲からめちゃめちゃ期待をかけられているいう設定。ほの子なんやけど、何としても期待に応えようと、連日の猛練習でキャパ以上に頑張った結果、腕や肩が限界を超えて大会前に大怪我をしてしもうて。ほの子は甲子園大会地方予選に参加できんようなって、二番手投手で臨んだチームは予選敗退、そんな話でした。これ、うちとよう似とるなあ、と思いながら読み進めたら、その子、夏の終わりとともに高校を中退、故郷を遠く離れて職人の道に入る、いうストーリーやった。
なんやこれ、うへえ! って思わずのけぞってしもうたわ。
うちは阿南キャッツユニオンの後押しもあって、動物虐待案件いうことで裁判闘争中なんやけど、この子の場合、ここまで無理を重ねさせた大人の責任どこに行ったん? て真っ先に思うたでよ。知らんかった、なんて言わせへん。ましてや本人の強い意思やから、いう言い訳やかし、てんから話にならん。人間の大人どもが不作為の落とし前をつけようとすらせえへんの、いくらフィクションやからいうて、あんまりなんちゃう? 大人の責任の所在をあいまいにさせてもうて、それを当該の高校生に所為のものと思わせるの、最近はやりの言葉でグルーミングとか言うんやろか? この子自身がもう、これは悔しいけど運命や、もう戻れん以上切り替えて前を向いていくしかない、と我が身に降りかかった事態を無条件全受容しよる。置かれたところで咲きなさい、なんて言うたらごっつ美しゅう聞こえるけどな、ホンマはがいたらしい。これが人間様の巷に大流行中の自己責任論いうやつか。こういう話が感動を呼び、広く受け入れられるような世情って、いったい誰が免罪されて、誰を利することになるんやろか?
ほなけんどな、この子みたいな被害者は、大人になるとたいがい加害者に転じるようなるんでよ。
あー、右の前足がまた痛うなってきよった。あの最後の夏、うちらが徳島県予選でヤマの狸どもと対戦した時、あいつら「くそほうけ」だの「どぼれ」だの言うとって、どんな意味やの? 聞いたら
万物の霊長を誇ってやまん人間様がこのていたらくで? わがのしたことの落とし前ひとつようつけられんと、ほんまどあほだけじゃ物足らんわ。人間の大人ども、主人公に大怪我させた責任きっちり取らんかい、このくそほうけのどぼれのくそどぼれが。
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