人生詩

見晴るかす

天国と地獄

明るい未来に舌が伸びる

暗い過去に尻がむずがる

天国はしなやかな指先で誘惑し

地獄はとげとげしい言葉で困惑させる

ああ 私は旅人 私たちは放浪者

どこにもたどり着かない たどり着いたと思うのは幻想で

足跡だけが遺されているだけ


天国も 地獄も

いずれも酷い場所に違いない

私たちにとっては留まること自体が責め苦であり

たどり着くことは死よりも辛いこと

ああ 視界を掠める到達点に嘲笑を与えながら

背中を燃やし 焦がし 裂かれながら

その快楽にただただ産声をあげつづけるのだ

笑い転げるのだ

私たちは自由の光に追い立てられる


天国に唾を!

地獄に皮肉を!


残像の老人に出会いたまえよ

私たちは時代を超える放浪者

天国にも 地獄にも 至ってはなるまいよ!

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