小四で異世界に転生した僕は生きて帰って見返してやる。現代ファンタジー
あに
第1話 召喚
えー、あにです。これは小4の小説の前に書いてたものになります。少し話が変わってくるので読んでみてくだされば光栄です。
あに
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貧乏が悪いわけじゃない、仕事をしていない毒親が悪いのだ。
「あの、お母さん」
「なによ!」
「学校の給食費」
「あるわけないでしょ!」
「でも、払わないと」
「あーうるさいわね!」
また叩かれるのでガードする。
「ひっ!」
“バシン“
そう貧乏が悪いわけじゃない。
小学校に行きたくないけど行かないとご飯が食べれないから行くしかない。
「あいつまたきやがったぜ」
「給食費も払ってないのに食う気かよ?」
僕だって嫌だ。
給食費も払えないのに食べるご飯なんか。
でも、
そのとき教室全体が光って異世界へと転移した。
「なんなのここは?」
「おいどうしたんだよこれ?
「おお、今回は幼き子供達ですか?」
メガネ?をかけた人が、
「本当に子供じゃないですか?この子たちを戦えるようにするんですか?」
体の大きな人が、
「そうね、それに子供だからって甘く見ないほうがいいわよ?」
女の人がそう言っている。
「というわけでだ、ここに召喚されたのは未来の勇者達だ!お前たちも家に帰りたいよな?帰りたかったら言うことを聞くように」
大きな体の人が手を広げながらゆっくりと話している。
「では。鑑定の儀を始めましょうか」
メガネ?の人が水晶を出して来てそこに並ぶように言われた。
「さっさと並びなさい!こっちも忙しいのよ!」
女の人に怒られて泣き出した子もいる。
「やめて下さい。泣かすと時間がかかる。もう泣かなくていいからね」
体の大きな人は優しいのかもしれない。
「おお!この子は勇者だ!」
あの子はいつもいい服を着て学校に来ている子だ。
「こっちは聖女か!」
あの子もいつも可愛いと言われてる子だ。
どんどん順番が進んでいって僕の番だ。
「この子はノージョブ?なんだ?職業なのか?」
「まぁいいじゃないか、一人くらい知らない職業がいてもな」
「全員で31名の子供達だ。これからよろしく頼むぞ!」
「は!」
僕達はどうなるのかな?
ここは天国だったのかもしれない。ご飯はお金を払わずに食べれるし、学校の授業もない。ただ、言われた通りに体を動かすだけだ。喋ってるのを聞いてたからだけど、異世界転移ってやつらしく、魔王を倒さないと帰れないらしい。
みんな最初は泣いたりしていたけど最後には感情を無くしたように剣を振っていた。
僕は一生懸命だ。ここを追い出されたらご飯が食べられなくなるし。
7年の歳月が経った。
僕達が日本にいたら高校生になる年だ。
相変わらず剣を振っている僕は落ちこぼれみたいだ。
なんのスキルも習得していない。
他の子達は職業に合ったスキルを習得して魔物の討伐をしている。僕はそれについて行くだけだった。
一生懸命にやっているのに何も習得できないから、やっぱり僕は親と一緒で仕事のできない人間なのかも知れない。でも身体を動かして頑張るしかないんだ。
体のおっきな人は騎士団長、メガネ、モノクルをはめた人は宰相、女の人は女王だった。
僕は今呼ばれている。荷物を持って、この3人に呼ばれた事でどう言う事なのか理解した。
「お前だけがスキルを発現できなかった」
「よってこの城から追放する」
「あの」
「なんだ?」
「頑張りますから置いてもらえないですか?」
必死だった。
「いや。お前はもういらない。頑張ってたのは知っているが、ここでは役立たずに飯を食わせる理由などないのだ」
宰相が言う。
「これを持って外にいきなさい。少しは食べていけるでしょう」
騎士団長が持たせてくれた袋には金貨が入っていた。
「その防具も剣もやるから、これができるだけの温情だ」
「は…い」
「分かったなら出ていけ」
「はい」
僕は役立たずなのか。どこかで働かないと食べていけないな。王城では読み書き算数は教えてもらった。
でも僕達にはできて当たり前だったのですぐに打ち切られ、訓練ばかりになった。
「出て行くのね?」
「あ、玲奈ちゃん、うん。僕は役立たずだから」
「私たちが魔王を倒すまで頑張って生きるのよ?」
「う、うん」
「それじゃあね」
「うん」
彼女は玲奈ちゃん、忍者の職業を持つ人だ。
僕と違って優しくて強い。
僕はなんで弱いんだろう。
城下町で仕事を探していると、冒険者ギルドというところにいけと言われた。
ギルドに行くと受付のお姉さんの指示に従って冒険者登録をする。
最後にまたあの水晶に触ってノージョブと記名されるとカードが出来たようだ。
Fランクからの仕事は街の中だけらしいのでそれを頑張ってやり、少ない賃金でもやっていけるようになってきた。
約一ヶ月の街の清掃やドブさらいで街の人にも顔を覚えてもらった。
「FランクからEランクに上がったわよ。これで街の外に出て魔物退治や薬草取りが出来るわね」
「はい」
正直ギリギリの生活だった。寝床も床の1番安い宿で、荷物を取られないように抱えて眠る。朝はパンを一つだけ食べて夜にも一つパンを食べる。堅パンと呼ばれるほんとうはスープなどに浸して食べるパンだ。
こんな生活でも城から出る時にもらったお金はほとんどなくなってしまった。
ギルド二階の図書室で薬草を覚えて、街の外に出て行く。
教えてもらった通りに葉っぱだけを取って袋に入れるのを繰り返していたらウサギが現れた。
魔物だ。キラーラビットと言われるツノの生えたうさぎ型の魔物。
僕には勝てない。でも生きるんだ!約束したからね!剣を抜くと構える。
キラーラビットが僕めがけて突進して来たが僕はそれを避ける時に剣を当てることに成功した。
片目が塞がれたようでも戦う気だ。もう一度突進してくるが、早さがなくなっているので僕は初めてキラーラビットを倒した。
「はぁ、はぁ、はぁ、」
体が熱くなり多分これがレベルが上がると言う事だろう。初めての感覚に驚きつつもドロップ品にウサギのツノと肉があった。
売っても二束三文なので肉は食べることにする。
焚き火で焼いて食べると美味しさで涙が出て来た。肉なんて何ヶ月ぶりだろうか。
腹が久しぶりに満たされたのでツノと薬草を持ってギルドに行くとお姉さんに笑顔で、
「キラーラビットの討伐おめでとう」
「おう坊主!やったじゃねーか!」
「今日は俺が奢ってやるからこっちに来い!」
「はい!」
換金してそのおじさんのところへ行く。
「良かったな!
「そうなんですね!」
「なんでも頼め!」
「えーと。じゃあキラーラビットのステーキをお願いします」
「へへ、優しいな!俺もそんなに手持ちを持ってないんだ!だが男には見栄を張る時が必ずくるからな!」
「偉そうに言うなよ!」
「そーだぞ!」
他の冒険者さんもとてもいい人だ。
「ルーキー?死ぬのだけはやめろよ?」
「はい!」
ルーキーで食えなくて死ぬ人もいる。でも僕は何がなんでも生きるんだ!
約束のその日まで!
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