弱小村の成り上がり
まっすん
第1話:天才訪問
時は戦国の世。名のある数々の武将達が天下を取ろうと、日々戦いをしていた。
ここは武蔵国にある小さな村。毎日山賊らに襲われ続け旅人も近寄らない村になってしまった。しかし、そんな村に奇跡が起こった。
「いやあ、あんたら夫婦が私たちの村で最後の若者だから絶対に死なないでおくれよ」
「はい、わかってますよ。この村は危険ですがとても居心地がいいです」
「そう言ってくれると嬉しいのー」
「山賊だー山賊が来たぞー」
「なんじゃと。数はどのくらいじゃ」
「約30名」
「今までの襲撃の中で1番に数が多いのう。あんたら隠れ」
「おじいちゃんこそ隠れないと」
「何言っとるんじゃ。言ったじゃろ死ぬなって」
「わかったけどおじいちゃんも来て」
「そうですよ村長」
「いいのかみんな」
「任せてください」
「村長に死なれたら困るし」
「俺も戦う」
「和之介。死なないでね」
「わかってる、京子。お酒の用意しといてね」
「うん」
「さあ早く隠れるぞ」
「はい」
「和之介ー。おまえ闘えるのか」
「戦場は初めてです。でも僕が戦わないと村が崩壊しちゃうから」
「男気あるねー。でも気をつけな。山賊は恐ろしいぞ」
「斎藤さん、あれ見てください」
「なんだー。はっ!客だー」
「え!?よりによって今?」
「客人さんよー、今すぐ逃げたほうがいいぞ。山賊に襲われるぞ」
「何、山賊に攻められているのか」
「ああ。そろそろ門を破られると思う」
「そうか。私も参加しよう」
「え、いいのか」
「ああ」
「門が破られるぞー」
「来るぞー」
「おい客人さん、待てー、止まれー。死んじまうぞー」
“バギーん”
門が壊されたとほぼ同時だった。
「ぐわー」
山賊らの悲鳴が聞こえた。
「はあっ、やっ、てやー」
「やべー逃げろー」
「す、すげー」
「みなさんお怪我はありませんか」
「大丈夫だべ客人さんよー」
「それはよかったです。ところで、この村はなんでこんな人が少ないんですか」
「それはじゃな」
「村長!」
「普通村は旅人が引っ越してきたり、子供を作ったりして人口が増えて発展するじゃろ。しかし、この村では若者が少なく子供が産まれなかったり、山賊の影響で旅人さんが近づかなくなってしまって、そのせいで人口が減っっていき山賊の襲う頻度も上がっていき若者が離れるという、負の連鎖が生まれてしまったのじゃ」
「そうなんですねー。決めました。私この村に住みます」
「え、えーーーーーー!?」
「いいのかい客人さんよ。自分で言うのもなんだけど、この村誇れるもの何にもないよ」
「この村はなぜだか居心地がいい気がする。ちゃんと問題を解決したらすぐにでも発展する気がする」
「若いし強い子が引っ越してきてくれて嬉しいったらありゃしないよ。酒だ。酒を用意しろ。今日は宴じゃー」
「ウォーーーー」
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