第26話 バイク集団

 爆音を轟かせて、10台ほどの大型バイク集団がコンビニの駐車場を占領したことがあった。

 

 ヤンチャそうなお兄さん達が、まるで周りを威嚇するように、駐車場の中を爆音を立ててグルグル回る。


 しばらく駐車場を賑わしてからコンビニの中に入り込んでいく。中には咥え煙草のまま、火も消さずに店内に·······


 「おい、キヨシ。この店だよな。お前が言ってたのは?」


 「おーそうだぜ。この前の集会帰りに、腹が減ってこのコンビニに飛び込んだんだよ」


 「そうか、じゃあこの店だな。可愛いネエちゃんがいたって言うのはよ」


 「顔は覚えちゃいねぇんだけどよ。マブネエちゃんが居た気がするんだ。たぶん間違えねえ」


 他の客が2人ほど店内にいたが、揉め事に巻き込まれたくないのか、早々に引き上げていく。


 「おーすげぇぞ、レジのネエちゃん。マジイケてんぞ」


 グループの1人が、遠くからレジの魄(たま)を見つけて大声で騒ぐ。尿意を催していた、狂犬のような顔をした男だけは、咥え煙草のままトイレに向かった。

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