どうでもいい、ただそれだけ

一色 サラ

他人の話



「はい、工藤です。」

 スマホに、表示はされたのは上司の東だ。

「ああ、今日人多いから、お休みで」

 あずまの無神経な言葉が耳に流れて行く。「はい...」納得のいく気分ではない。

週に3回ほどのホテル清掃の仕事だった。突然の通告はいつものことだ。でも残酷だ。またと喉の奥が唸っている。どれだけ仕方がないと自分に言い訳しても、生きていく気力を奪っていく。

 なんで休みなんですか。など聞いても、同じように今日は働くが人数多いとしか返答ないだろう。今月もお給料はマイナスだと頭によぎる。こんなの生活をいつまで続けて続くのだろう。精神的も肉体的にもすさんでいく。仕方ない。宿泊の数によって、稼働率は変わってしまう。それは、誰もが想像しかできないものなのだろう。

 変になってきて、ベットに寝転がり天井を見て1人で微笑していた。馬鹿馬鹿しい。どこかに出かけよう。もう、考えても何も生まれてこない。誰かな何かを恨んだところで、何も変わらない。

 眠い身体を無理やり動かして、家から10分ほどの所にあるショッピングモールに向かった。何もすることもなく、ただウロウロとショッピングモール内を歩く。何も買う気も起きないが、見ているだけで、どこか安らいでくる。フードコートが見えて来て、お腹がなかった。何件もの店舗が並んでいて、多くの席が家族連れや勉強している学生など、平日にもかかわらず、多くの人で賑わっていた。オムライス、ドーナツ、丼物、ラーメン、何を食べようかとウロウロしてしまう。天丼が600円、決めかねない自分がやっぱり安いものを選んでしまう。

 呼び出しベルがなり、商品をもって、席についた。お昼時は少し過ぎていたので、人がだんだん減り始めていた。

 店舗の近くの席に座ってしまったので、目の前にのドーナツ屋から、「ドーナツは作ったから、飲み物だけ買おう」とういう声が聞こえてきた。

「もう無理なの別れたほしい」「ごめん、ちゃんとするから」「謝っても心から反省してないでしょう」と聞こえてくる。なぜだろう。フードコートは声が通るから、人の声が丸聞こえになっている。

どうでもいいなと思ってしまう。そう思うと自分の悩みなど、他人からしたらどうでもいい話なんだろうなと思えてしまった。


 

 

 

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