没になったやつ
讃岐うどん
没
没2 バン
ゲーム。
それは、いっつも楽しませてくれる。
ノベル、fps、ソシャゲ。
時間の捧げれば、彼らは娯楽を授けてくれる。
気づけば、数時間経っていた、なんて事も、珍しくは無かった。
寝る間も惜しんでキャラクターのレベルを上げる。
マンションの一室、台風が来るわけでも、災害があったわけでも無いのにシャッターを閉めていた部屋。
その中で、埃を被ったパソコンが悲鳴を上げながら、必死に働いていた。
彼、
常にコントローラーを握り、青白い光を浴び続ける。
初めてゲーム機を触った小学3年生の頃から、実に6年間、学校以外では常にゲームをしていた。
ただ、課題などはしっかりとこなし、テストの点自体は、ちゃんと取っていた。
今年、中学生最後の夏休み。
彼はいつもと同じように、座椅子に座り込んでゲームをしていた。最低限、勉強をして。
受験生とは到底思えない態度だった。
「……レベリング、めんどくさいなぁ」
そう呟きを溢しながら、ヘッドホンを耳につけ、コントローラーを動かしていた。
画面に映るは、2Dのレトロゲーム。
モニターの隣には、無造作に積まれた空の缶。エナジードリンクと呼ばれる物が山を築いていた。
(かれこれ、8時間か。休憩するかぁ)
ふっと、軽い深呼吸をして、腕を伸ばす。
常に電気を消して、窓のシャッターを閉めているせいで、時間感覚が無くなっていた。
疲れは無い。
けれど、身体を休めなければならない。
ゆっくりと立ち上がり窓を開けて、シャッターを上げた。
「ッ!」
日差しが部屋に差し込み一瞬、雫はふらついてしまった。
眩しさと共に、太陽と目があった。
13階からの景色はいつ見ても絶景だった。と言っても、比較的田舎なせいであまり見どころはないのだけど。
雫の家族は今、外出をしていた。
色々あって、1週間は帰ってこない。
何かあったらと、一万円札を彼に託していた。
「息抜きに、FPSでもするか」
言って再度窓を閉めた。
今度はシャッターは閉めずに。
マウスを握り最低限手首を振り、タブを切り替えた。
「死ね!雑魚がよお!」
気づいた頃には、暴言を吐きまくっていた。自分では気づかないほど、彼の口は悪かった。
本当は異聞帯より前から描き始めてたけど、結局、途中で飽きてしまった。
電脳世界バトロワをやりたかったよ。
でも、力尽きたの。
主人公が、仲間から受け継いだBANの権限で、ラスボスのハッカーを倒すって物語描きたかったの。
でも、飽きた。
と言うか、自分で何やってんだろうって、思って……本気で嫌になってた。
受験前ってのもあったし、今なら書ける気がするけど、まぁ、うん。
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