隣になった女子のぽろっと落とす家庭事情が重すぎる

イガ坊主

プロローグ

失敗した。


それを自覚したのは、そのつぶやきに言葉を返して数日後だった。

何故?どうして?とは思いはしたが、当然と思う気持ちもなくはない。

ただ、マジで?とは思った。

俺は彼女の


「私、ダブル不倫の末に生まれた子どもなんだよね」


ってつぶやきに「まぁ、がんばれ」ではなく、


「まぁ、ほどほどにな」


と返してしまったからだ。

後に聞くことになった、「ほとんどの人が無視するか、『まぁ、がんばれ』だったのにあなたは、『ほどほどにな』って言ったから」の言葉に深い、深い、深~い後悔を覚えた。


ただ、こいつの深い事情は端から聞いている分には面白すぎる上にヤバすぎる。

深く関わらなければ大丈夫、その時俺はそう、思っていた。

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