第8話、物事に善悪はなく、人の噂でしかない

-おまえにとって父親は神様も同然、おまえは父親の刻んだ蝋人形のようなもの-


俺も何が起こったか、全くわからない。

想像さえも、していなかった。


まるでアメリカ国歌のようだ。

Whose broad stripes and bright stars, through the perilous fight.


O'er the ramparts we watched were so gallantly streaming?


思考を回すより今はとりあえず、深呼吸。


整理すると、俺が長年師事している教授と間違えた件はどうやっても実は教授が中の人説含めてありえないことは間違いない。


なぜなら教授は非常に清廉潔白な方なので、薬物事件引き起こした元犯罪者に対し更生の手伝いはしてもそれ以上に肩入れしないと言い切れる。それぐらいは長い付き合いだ。


ということは、教授である可能性は微レ存もないということは確定した。つまり完全に俺の人違いが確定した。


一応というか教授はそれなりには偉いんだけどな。

しかしフォロワー24000人とかはいかないだろう。てか、呟きなぞやらないな、あの方。ガジェット系は大好きだけど。


まあ、教授自体、気さくでお茶目だが、その思考は非常に難解で、俺のような凡人には理解できないことが多い方だ。そういう意味では、この「音楽家」に似ているかもしれない。


ただ教授はこんな凡人以下の俺のことを心配してくれる優しい方だ。心から尊敬している。こんなあからさまに「エキセントリック」な人物と間違えてしまうなど、凡ミスにしても酷い。


教授に師事して干支が一回りも経つのに、睡眠薬を飲んでいたとしても間違えてしまい大変申し訳が立たないとは思う。などと、教授に心の中で謝罪する。墓まで持って行こう。


俺自身は、法律なんて人の意思「世論」ってやつで移り変わるものだとしか思っていない。


そうでも思わないと、著名なネズミが引き起こした著作権法の改正とか酷いもんだ。政治や軍事が密接に絡む分野で敗戦国には弁明などできないことぐらいは理解しているけど、さ。


まあ「世論」でなきゃ、禁酒法なんてあり得ないし、ケネディ氏は任期を全う出来ただろう。いや、そもそも当選しないか。


法律なんて、ぶっちゃけそんなもんだ。くだらない。

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