第2話、不惑だからと、血迷わないわけではない

そう。俺はいなくなった。この街から。


いなくなるまで僅か4ヶ月。

その「決定打」になった出来事。


だけど、その始まりはあまりに数奇だった。


「な、何が起こったのか、本当に、俺にも、全くわからないんだ」。


未だに、わからない。

たかだか、本当に今年の4月5日から29日にかけての出来事でしかないんだ。


なのに、こんなに

「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!」

「な… 何を言っているのか わからねーと思うがおれも 何をされたのか わからなかった… 」

が、相応しい月は、俺も不惑(40歳)に近い歳の製造業の会社員だが、今までなかったんだ。


ざっくり「こと」の発端を一言に纏めれば、最近一年頑張った会社の昇進昇格試験に落ちた。


それですっげー落ち込んでいたら、東京にいて北関東地方にいる俺とはまず会わない部長に、優しい言葉どころか「お前、偉そうだから今年一年は様子見て、反省したか見極める」とか、追い討ちをかけられた。


年に一度会うか会わないかのやつに俺の何がわかるんだよ!!って、俺は切れた。


あー、本当にすげームカついた。


しかも、更に後輩はてめえが仕事できないから俺がやってんのを「上から目線だ!パワハラだ!」とか労働組合やら課長に言いやがる。よく言うは。


なら全部一人で回せ、とほっといた。

まあ、どこにでもある、よくある話。

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