第2話

 そう、こんな僕だから、普通なら狂っていると思われるような打開策を考えた。そしてそれが、思いの外上手く働いた。では何をしたのか。僕は―――俺は、ある仮想を創り出した。それは決して存在せず、俺以外の誰にも知られることは無い。何故なら、それは俺のただの「妄想」だから。妄想を膨らませ、まるでそこに誰かがいるかのように脳に思わせた。これは、心の壊れた少年の、歪で、でも正に「理想的」な「恋人ごっこ」の物語だ。

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