お久しぶりです。
ようやく最後まで読ませていただきました。
遅くなって申し訳ありません。
どこまでも人間として愛を肯定していくてふさん。
ヴァンパイアを駆逐することに一切の憐憫を覚えないハンターたち。
まだ人間としての感情を捨てきれないスリーくん。
そして鬼と人間の混血であることが明かされた門松。
それらの登場人物たちの思惑や観念が深いところで合わさり、否定も肯定も渾然一体となってラストまで突き進んだ迫力には言葉では言い尽くせぬものがありました。
またヴァンパイアも人間もハンターもそれぞれに言い分やしがらみがあって、それをちょうど良い所に落とし込めない、解決できない、そして戦うしかない、というところは現在世界中で起きている紛争の背景に通じるものがあるように思えました。
世の中、話し合いや取引で解決する問題ばかりではありません。
けれどそこに愛がなければどこまでも醜い争いになっていくのだとこの作品に感じさせていただいたように思います。
素晴らしい物語を読ませていただきありがとうございました。
作者からの返信
那智さん
お久しぶりです、お忙しい中読んでくださってありがとうございます!
登場人物それぞれの矜持や生き方があり、そのどれもが善悪や正誤の尺度で一概に測ることはできないと思いながら執筆しました。
カオスに暴走してしまった感は否めませんが、那智さんにこうしてお言葉をいただけて、書き切ることが出来てよかったなと思います。
他者との関わりの中で起こる摩擦を、解決できると思っている事自体が驕りではないか、落とし所をみつけることがはたして正しいのか、戦うことは善もしくは悪なのか……
そんな答えのない人生の問答を唯一導くものこそ愛なのでしょうね。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
人間とヴァンパイア、それぞれに生きるための理があって、愛も情もある。ただ相容れないだけ――というハードでスタイリッシュな世界観を、最後まで楽しませていただきました。
血なまぐさい描写も、血の温かさと生の匂いをまざまざと伝えるための舞台装置だったのだなと感じます。
最後に全てを背負って去っていくオズワルドの、若者たちに向ける優しい眼差しが、一筋の光のように印象的でした。
大作を読ませていただきました。
完結お疲れ様です&ありがとうございました!
作者からの返信
こよみ様
コメントありがとうございます!
種族は違えど中身は同じで、それぞれがそれぞれの人生をただ懸命に生きている……そんな世界観を描きたくてもがいていたので、楽しんでいただけてとても嬉しいです。
オズワルドは時を超えて物語を俯瞰する孤独な立場でもあるので、一筋の光と言っていただけたことで彼の孤独も報われるような気がします。
後半とくに苦しい執筆でしたが、こよみ様からのあたたかいお言葉がとても励みになりました。
最後まで読んでくださってありがとうございました!