第23話 訳し方間違えると悲惨

 突然ですけど、英語で訳し方間違えると悲惨なやつってありますよね。私は英語がさっぱりなんで、よく「I am a pen in my pocket , and you?」「Oh! I'm rainy thank you」とか一人ボケツッコミしてますが。


 その昔(SEやってた頃なんでだいぶ昔です)、同僚が「Last Christmasって何か悲しい響きだな」って言いだしたんですよ。もうすぐクリスマスっていう、ちょうど今くらいの時期ですね

 何が悲しい響きなんだろうな、と思ったんです。如月、英語さっぱりだから、歌詞がきっと何か悲しいんだろうなぁくらいにしか思ってなかった。

 彼はちょうど彼女と別れそうな雰囲気だったんで、その歌詞を自分に置き換えたのかな、とかいろいろ考えちゃうわけですよ。

 そしたら彼が言うんです。

「最後のクリスマスって、俺のこと言われてるみたい。もう来年は彼女とは一緒にクリスマスを祝えないって事だろうな」

「いやいやいや、最後のクリスマスじゃなくて去年のクリスマスだろ」

「え、去年が最後ってこと? クリスマス前に別れるって言いたいの?」

「ちゃうちゃう、ラストクリスマスだから去年のクリスマスってことだろ」

「え? そういう意味なの?」


 だけどそのあと歌詞を見たらどうもやっぱり失恋してるっぽいんですよ、この男。

「君に愛を捧げた」と言った直後に、「だけど翌日には君はそれを捨てちゃった」と言ってる。あららら。「今年は泣いていないで特別な誰かに愛を捧げる」って言ってるんで、まあ、失恋は乗り越えたんだな。うん、よかった、頑張れ。


「やっぱりこれ失恋ソングだな」と言ったら、「結局、最後のクリスマスじゃん!」ってなって、「お前も新しい恋を見つけろ」ということでチャンチャン。



 もう一つ、これは学生の頃のお話ですが。

 マドンナ、めちゃめちゃ流行りましたね。彼女の大ヒット曲に「Like a virgin」ってあったじゃないですか。それ間違って訳したやつがいまして。

 忘れもしない佐藤君だ。アイツが日本語直訳で歌ってたんです。


♪処女が好ーきー  ヘ~イ!


 そうじゃないからね、佐藤君。「Like」を「好き」って訳すのやめようか。っていうか教室で大声で歌うのやめようか。

 そのうちに友人が辞書の「Like」の部分を広げて佐藤君に見せました。彼は「あ、好きなんじゃないのね。でも俺は好きだからこれでいい」

 その後「童貞じゃん、お前」とみんなにツッコまれていました。

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