第28話 トランクス

 ウチのカレンダーに建設機械のヤツがあるんですよ。『いち癇』書いた時にいろいろ聞いたり検証していただいたりした、某建設機械メーカーさんのやつ。

 で、結構マジで眺めたりするんです。バックホーとかバケットとか破砕マシンとか、ダンプとか。子供の頃はまったく「はたらくくるま」に興味が無かったのに、大人になってからすっごい興味津々なのね。

 今は11月12月のやつがあります。電動ショベルですね。デカいのと小っちゃいのが写ってます。問題はそこに書いてある言葉。


『20トンクラス・3トンクラス』


 車のスペックが書いてあるだけなんですよ。何も問題ないんです。問題があるとしたら如月の脳味噌の方ですね。


 何度見ても『20トランクス・3トランクス』って読んじゃうんです。


 待てよ、3トランクスならまだわかる。イオンとかあの辺で三つで一袋のパックが売ってそうだよね。柄トランクスね。だけど20トランクスはいくらなんでも多すぎやろ。五人兄弟で分けっこしても一人四枚やで。

 いえ、トランクスじゃなくて『〇tクラス』ですからね。



 話は変わり、私の母なんですけれども。母は『え』と『い』がすぐにごっちゃになります。子供の頃は「うちの母はアタマ大丈夫だろうか?」と割とマジで心配しましたが、これは結構地域的な問題もあるようですね。

 中でもひときわ異彩を放っていた言葉があります。


『えろいんぴつ』


 なんでしょうねこの淫靡な響き。

 私が鶴見(神奈川県横浜市鶴見区であって大阪ではない)に住んでいた時に母が仕事の関係で田舎から出て来たんですよ。そのとき、手芸好きな母のために一緒にユザワヤへ行こうってことになって。鶴見と蒲田なんて京浜東北線で2つですからね、ほんとすぐそこなんです。

 母は手芸用品が見たいし、私は画材が見たい。一緒に手芸用品を見た後で、仲良く画材を見に行くんですけどね、画材の数が半端ないので母も驚くわけですよ。


「すごいねー、こんなにたくさんの『えろいんぴつ』があったら迷うねえ」


 頼むし、それ言わんといて。大きい声で驚かんといて。



 でもね、『赤ぴっぴミシミシガメ(ミシシッピアカミミガメ)』もあったくらいだから、『えろいんぴつ』って人も案外いるかもしれないなと思って検索してみたんです。もっとすごいのがわらわら出て来て驚きました。


マティちゃんのきちがい探し(キティちゃんのまちがい探し)

チャラチャラのパーハン(パラパラの炒飯)

てくわのちんぷら(ちくわのてんぷら)

こきたてヒーヒー(挽きたてコーヒー)

ごつごつのアハン(アツアツのごはん)


 もう「ゴリラげい雨」なんかかわいいもんですね。

 だけどさ、本当に「赤ぴっぴミシミシガメ」っていたら可愛いと思わない? 「こどもオオトカゲ」とかさ。

 こどもオオトカゲがいたら庭で放し飼いにしたいなぁ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る