八章

自然と進化し新しい物が見えている感じている者の世界

そして、愛をつむぎ心を合わせ楽園を作る世界



さて、これらの世界が今あります。

7つの世界があったにも関わらず、今は4つ。

そして、あと少しするとこれらの残りの世界が一つに統合します



「これが何を表しているか、真実なのかは分からない。

けれど、あんなに隣国が核兵器を打ち上げても日本は無事だったことを考えると、やはり神という存在が生き物を守り導いているという考え方もありだと思うの。

そして、このインスピレーションが詩にでてくる紫の世界ならば、同じような人が沢山いると思うの。

とにかく、私は愛というエネルギーが放つ流れを追っていく事を目指しているの」


「歌奈、私が感じていることは歌奈の話はどんどん展開してゆくけれど推察の域をでないのも分かる。

けれど現実ではたくさんの奇跡が起っていることも感じて理解できているの」


「そう、私もそんな感覚でいるの」


「きっと証明するのは時間がかかる、未来の事なんだから。

時間の編集作業をしている神様がいたとして、人間の各自感じているバラバラの現在の感覚の中で、

うまく生命保険のような形で未来の危機を伝え合う事で危険から逃れられるってこと?

そしてそれが理解出来たり、意味が分かる人々には同じような共時性があるってこと? 」


「そう、そして命の危険の回避がおこってくる。

私の経験では過去の過ちを反省したり、感情が愛や感謝に変わるときこの不思議な

インスピレーションも未来を見る力も上がる気がしていたの。

同時に人からの話に何らかの心温まる気付きや

不思議な共時性が自分の人生にもつながってくる感覚だった」


「なんとも不思議な話だけれど、私にとっては歌奈の感覚だからそうなんだと思う事しかできない。

きっと未来ではなにかの意味が出て繋がってくるのね」


「私は歌奈を信じている」

「弥香も私からみると同じ共時性の仲間であり親友なんだから」


弥香とこうやって謎を追う時間はとても楽しい。

感覚が合う事で沢山の気づきや一人ではないという安心感をもたらしてくれる。

そうして、私たちは愛のはなつインスピレーションの可能性を追い始めた。



ある日の弥香からの連絡

「歌奈、聞いて欲しい事があるの。

どうしてなのかわからないけれど、英二さんが私の気持ちに寄り添う言動が増えたの。

本当は彼の事を想って離れようといつも思う、でも気づけば彼と私は繋がって離れられない。

ううん、より気持ちや考えてることが読める気がして……」


私には既にインスピレーションが浮かんでいる。

チョコが弥香を選ぶ未来を感じている。



「倫理的な判断をこの際置いておいて話すと、2人の間に愛があるから起こることだと思う。

阿吽の呼吸みたいに2人の中にある愛が循環してるんだね」

「嬉しくもあって悲しくもあるの、どうしたらいいのか分からなくなる」


「弥香、自分の心に従うの。

チョコだって覚悟のうえで不倫をしているのだと思う。

傷つかない方法なんてないよ、きっと近々どちらかを選ぶことになるのだと思う」

「弥香はどちらになるにしても彼の出す答えを受け入れなければならないと思う」

「きっと今後罪悪感は消えない2人とも。特に子供に対しては」


そう連絡を送った。





人間は、誰でもより愛が循環している人といたくなるものだから。

誰かと心から通じ合って味方でいてくれる人がいたら、他の異性が入る隙など無いのだと思う。

誰もが孤独が心を侵食するから、より理解して愛してくれる人を探している。

そして、その寂しい隙間を埋めてくれる人を求めていくようになるのだと思うから。





昂のラジオをきいている。



「俺には、子供のころはこの言葉の意味が良くわからなかった。

実感として大きな飢餓や争いが殆どない日本に生きられているからその言葉の重みを実感することも

無かった。

まして、人に重みをもって伝える事が自分には出来なかったから」


「でも、一つ一つ思った事や感じた事を種を撒くようにここで喋ってもいいかな?

いつものラジオだけど、少しだけ未来を良く変えていくためのコーナーを作りたい」

そうラジオで問いかける。


男の人は何かを決めたら仕事が速いな。

どんどん現実に形にしてゆく。


そう思っていると、ラジオは続いてゆく。

「争いはいつでも世界の中では常にある。

俺らが関心を払えてないだけな事も知っているよ。

それでも、今自分にできる事を発信して行くことで少しだけ安心したいのかもしれない。

少しの勇気がいつかの未来を生きやすくできる可能性を見つけておきたいんだ。


内容は戦争と飢餓とか重いテーマだけじゃなく、心が平和に傾くような事を少しでも温かい気持ちに

繋がるように作っていきたい」




「夢物語かもしれない、個人として一人一人の力やできる事は限られている。

けれど、皆が少しずつ特技を生かし合えば全体として何かが大きく動くんじゃないかと思う」



私はインスピレーションのまま書き記してゆく。


愛とは循環するもの。

人と影響を与え合うもの。


『少しでも愛を拡げる事に貢献できれば、自分の心も満たされてゆく。

必要とする者に必要な技術や愛を届け合うこと。

それが、循環すればするほど地球は平和へと繋がってゆく。

時間がかかってもこの愛や平和を求める声に反応できる人間でいなさい』



きっとこのノートのメモがまた新たな世界に私を導いてゆく。

実行していこう、今はたんたんと。

自分たちに何ができるのか知りたい、どんな可能性が広がり繋ぎ合わさるのかを見たい。




そうして、ラジオが終わったあと、今私にできる事を考え始めた。

とりあえず、興味のあることを考え調べてみる。


自然が破壊されたり、山火事が広大な森林を焼き尽くし動物の住処や食料を奪うニュースが

先日あった事を思い出した。

調べるていくと、森林には気候変動から土砂の流出を守ったり川や海への水質汚染を防ぐという役割りがあることをしった。

調べれば調べる程、ボランティアとして植樹をする人々、発展途上国に水が出る井戸を掘る企業、海のプラスチックゴミを減らす運動をしている企業も沢山ある。


皆思い思いの愛のある活動をしている人々が増えている。

私もこの流れに参加しよう。

きっとこれからこの流れが加速して大きな形として動いてゆく。

人と生き物と環境を守ってゆくことは、新しい経済活動、新しい技術の発展、新しい価値観へと繋がって行くはずだ。




「歌奈、俺良い事思いついた」

得意げなスタンプ


「なに?知りたい」

キラキラスタンプ


「もし、本当に地震が東京に起こると仮定した場合、その日までには絶対に安全な地方に人はいるべきだ」


「それはそうでしょ」

「富裕層や企業が好きな地方に移住して新たに地方造りをしたら面白くない?」

「地方と都会的センスが融合した建物や名産品がどんどん生まれたら面白いかも」

「今は東京に住むのは確かに便利だけれど、地方に住む事とそんなに大差はなくなっているように

も俺は感じる」

「むしろ、地方を開拓してゆくことこそ面白い変化と金を生み出せるんじゃないかな?」


「確かに私は地方にいるけれど、車がないと困るというだけで特段不便は感じてない。

高い家賃や楽しむための華やかな生活に対して払うお金は地方にはあまりないけれど」


「うん、今後確実に大地震は近いうちに起るだろうことはもう分かっているだろ?

だったら歌奈の書いた日付がズレたとしても時間の問題だよ。

今からだんだん田舎の開拓にシフトする道があっても面白いんじゃないかな?」


「命も助かるし、飽和した経済活動の新たな転機になるかもしれない。

伝統文化の復活や地産地消や人口分散とか面白い変化が沢山ある気がするよ」


「愛と言えど、生きていくことにも金は必要だから。

要は愛のある金に換えて、何かそれに見合う物を作り使い道を変えて行ければ面白いよ」


「いいね、その考え。楽しいよ」

「俺はこの流れ追っていきたい」

「うん」

「ありがとう、昂」


そういって、絵を見つめる。


弥香は、すでに違う絵を見つめている。


「歌奈、私はこっちの絵が好きよ。

「そう、いかにも弥香らしい弥香の人生そのもの」

そこには、人々と笑いあう自立した女性の絵。

子供を抱えて太陽のように家族を支えているのだろうか。

そんな印象を受ける。

「女性が笑顔なら男性は安心するわ。

私に出来てきたのはきっとそんなことよ」

「懐かしいわね。

彼が、私を支えてくれたから、私は頑張れたの。」


弥香は、そういうと微笑んだ。

「彼と私はあれから、ずっと一緒にいたのよ。

女神さまの祝福は私にも波及したわね」

そういうと、弥香は微笑んだ。

私も思わず微笑み返す。



いつかの準子さんを思い出す。

彼女の言葉を。


「いつかカケラを拾い集めて自分だけの歌を歌うのよ、名前の通り」

私は、今、準子さんからみて、歌えていますか?

あなたのように、純粋に率直に生きて行けていますか?

ありがとう、あなたの存在も私に大きな色彩をもたらしてくれました。



「それでいいの。

愛の力はやっぱりあるわ。

いつか繋がりあい一人でに大きく意志を持ち人間の考えを包みこんで迷いを消してゆくものなのね」

きっと、彼女ならこんな素敵な言葉をくれるような気がする。


苦しむくらいならば、ぶつかればいいの。

導かれたらいいの、ただ、愛に素直に。

命を懸ける程の情熱を運命の神様を悪いようにはしないから。

きっとこれが真実ね。


「弥香、ありがとう。」


「どうしたの?歌奈?

まだまだ人生は続くのよ?」


そういうと、弥香は太陽のように笑う。

強くなったのね、弥香。



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