メイド服
「おお! ルナ似合ってるよ!」
「ん……ちょっと恥ずかしい」
「そんなことないって。可愛いよ」
「! スフィアはもう……」
とある昼下がり。
私とルナはキャンピングカーの後ろ、生活スペースにて少々寛いでいた。ずっと走りっぱなしというのもあるし休憩である。
予想通り、件の砂漠はそこまで大きくなく、キャンピングカーで進んでいればいつの間にか抜けており、緑が戻って来ていた訳だ。
因みに砂漠での天体観測というか夜空を2人で見る件については特に問題なく実行した。ルナと一緒に見た綺麗な星空は今後大切な2人の思い出としてずっと残ると思う。
砂漠の星空は想像以上に綺麗だった。
無数の星に夜の代表でもある月、澄んだ空が合わさって最強だった。冬が一番空気が澄んでいて星が見やすいだろうけどそれに劣らない……と思う。
いや、今の季節がわからないから何とも言えないのよね。秋の可能性は高いけど……仮に秋だとしても冬に砂漠で星なんて見たことはないので比較できないわね。
で、話を戻すけど、今どういう状態なのかと言えば、若干顔を赤くして恥ずかしがっているルナが目の前にいる。うん可愛い……。
おっとまた話が逸れるところだった。
ぶっちゃけ言ってしまうと、ルナにメイド服なるものを着てもらっている。普通のクラシカルでシンプルなメイド服だよ。
メイド服なんてどこにあったのかと言えば、普通に車の中にあった。忘れていた訳ではないけど、着る機会なんてないだろうから影が薄かっただけね。
ほら、一応私達は服とかもお店だった場所から拝借しているので、偶然そのお店にあったものの中にメイド服があったのよね。まあ、いわゆるコスプレ? あそこたぶん、服屋ではなく何でも屋に近い店だったと思うから。記憶が正しければ。そして安い訳よ。
で整理してたら出てきたのでルナに着てもらいたいなぁと欲が出たわけだ。まあほら? 私達一応付き合っている仲なのだし、いいかなと。
「銀髪の美少女メイドは最強よね」
「……そんなじろじろ見ないで」
恥ずかしがっているルナ自体もかなりポイントが高い。たまには息抜きも必要よ……うん。
「わたしからしたら息抜きにならない」
「でも着てくれるって言ったのはルナよね」
「う……別にスフィアになら見せてもいいかなって」
「可愛い!」
「い、いきなり抱き着かないで!?」
あまりにもルナが可愛らしかったので衝動を抑えられず、抱き着いてしまった。文句は言っているけど振り解こうとはしない辺り、可愛いよね。
「いつまで抱き着いてるの……別にいいけど」
そうしてどれくらい経ったのかはわからないけど、はっとなりルナから少しだけ離れる。
「ごめんごめん。ルナが可愛すぎるから」
「またそうやって……」
「本音よ? お世辞でも何でもない」
そうこれは本音というか本心である。可愛いのは間違いないと思う。
「今日の夜はメイド服でやる?」
「……ん」
そこ変なプレイとか言わないの。別にルナも嫌がってる訳ではないみたいだし、合意である……と誰に言ってるのかわからな言い訳は置いておき。
「後でスフィアにも着せるから」
「え」
「まさか自分だけ、とか言わないよね?」
「……はい」
いや別に嫌ではないけど……ちょっと恥ずかしさが。というかメイド服って2つもあったっけ?
「いろんな種類のがある」
「……いつの間に」
気が付けば目の前にはメイド服が入った袋が何枚も置いてあった。
ちょっと際どい感じのもあれば、普通のもあるしちょっと一風変わったデザインからゴスロリ風のメイド服まで。
「え、こんなにあったっけ」
「バニーガールとかもあった」
「……なんでそれ回収したんだろうね、私達」
「……正直覚えてない」
……そんなこんなで私達は何とも言えない雰囲気で互いを見合うのであった。
因みにルナの宣言通り、色んなメイド服を着せられましたとさ。まあ、ルナにも着せ返したけどそれはまた別のお話。
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20話記念? のちょっとしたイチャイチャ話でした←
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