ルナの独白
わたしの名前はルナ。
ただのルナ。なんか外国人ぽい名前だけど、日本人のつもり。
世界の終わり。
文明の崩壊。
これらを浮かべて何を感じるだろうか。何も感じない……うん、多分それが普通なんだと思う。突拍子もない単語を言ったところで、普通の人なら何を言ってるのか、ってなると思う。
……それはいいとして、その日は突然やって来た。
「……」
空を見上げれば綺麗な星空が一面に広がっている。周りに光がないというのもあって余計に多くの星が見えていて……綺麗だなと思ってる。
わたしが生きていた世界というより、暮らしていた世界はその日突然滅んだ。文明は崩壊し、わたしだけ……ううん、わたし達だけが取り残されてしまった。
「スフィア……」
隣で眠っている少女を見る。
彼女の名前はスフィア。瀕死の状態だったわたしを見つけて手当てをしてくれた優しい人だ。自分以外誰も居ないのかと思ったけれど……彼女が居た。
話を聞けばスフィアも同じような状態だった。ただ違う点を挙げるならスフィアにはこの大型のキャンピングカーがあったことだろうか。車の中にもいろいろと道具は積んであったし、快適……かどうかは分からないけど、普通に暮らせていたのだろう。
わたしの場合は……そういうのはなかった。気付いた時には自分だけ取り残されてていた。必死に探しても人っ子一人見つからなかった。
それでも諦めずに彷徨っていた……今思えば無謀だったかもしれない。まずは、食料や水などの物資を探すのが先決だった。
気付けばわたしは地面に倒れており、起き上がろうにも起き上がれない状態だった。ここで死ぬんだろうなってそう思った時に、彼女は現れた。
「ん……」
自分の似た境遇だけど……スフィアの場合は終わった世界を普通に受け入れ、キャンピングカーで旅をするって決めていたのが大きな違いかな。初期状態も自分とは違うもんね。
でも……スフィアと出会えてよかったと思う。
あまり口数は多くない方だけどそれでもスフィアは仲良くしてくれていたし。この世界に取り残されたのはわたしだけじゃないということが分かったのも大きいのかもしれない。
でも……結局はそれだけ。
スフィアと出会えたけど、それ以降は誰とも会うことはなかった。色んな町や場所に寄り道したけれど、虫や植物等の姿はあったけど人の姿は全くと言っていいほどなかったのだ。
恐らく……きっと。この世界にはもう人類は存在しないのかもしれない。わたしとスフィアを除いて。
どうしてこの世界が唐突に終わったのか……それは分からない。
そしてどうしてわたしとスフィアだけ取り残され、こうして生きているのか……これも分からない。神様と呼ぶ存在が居るのであれば彼らはわたし達を残して何をさせたいのだろうか?
「分からない」
いくら考えても答えは出てくるはずもなく。
ふと、スフィアの顔を見ると気持ち良さそうにすやすやを寝息を立てて眠っている。
「ふふ」
なんかスフィアの寝顔を見たらどうでもよくなったかもしれない。何だかなあ、と心で思いつつ苦笑いをする。
わたし達の旅に終わりはない、と思う。
どこまでも進んで……その先には何があるのか。今居る場所は陸だけど、海や湖と言った自然も残っているのかな? そして陸は何処まで続いているのかな。
なんだかんだ言って、スフィアとのこの終わってしまった世界の旅は楽しい。このままずっと……ううん。きっとそれは出来ない。
わたし達にも寿命はあるのだから。
ついこの間、スフィアも言っていた。人間である以上、寿命とは避けられないものである。だからいつかわたし達も何処かで力尽きて死んでしまうだろう。
縁起悪いこと言わないでってあの時は言ったけど、ちゃんと理解はしているつもりだ。それなら、寿命は尽きるまで……ずっと一緒にいたい。
「ふぅ……スフィア」
「スースー」
当然名前を呼んでも反応はない。寝息だけが聞こえる。
「好き、だよ」
そっと頬にキスをするのであった。
あとがき
まあ、誰かと一緒というのは心強いよねって話。
そして、ここでぶちまけるスタイル。
こういう感情が芽生えてもおかしくはないでしょう。
忙しくて中々書けてないぞ……これは1500文字くらいなので頑張れば書けそうだけども。
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