第267話 おめでとう
「終わったか」
「最後のボス戦は盛り上がりましたねっ! 私も手に汗を握っちゃいました!」
「確かに。面白かったなぁ」
最初にイギリス台湾連合、次にロシア韓国連合、そして最後にイタリア。
バチカンに出現してた1級の狭間が全部無事に攻略された。どの国も死者を出す事なく、そして俺達の手を借りる事なく攻略出来たのは世界にとって大きな一歩だろう。
まあ、ブートキャンプで手を貸したとも言えるけど。文字通り死ぬ思いをして努力して、最終的に攻略したのはあいつらだ。
充分誇っても良い事だと思う。
一時はアメリカの特級狭間攻略で話題を持っていかれてたけど、三つの狭間が攻略の佳境に入るとメディアも再熱して大盛り上がりだ。
アメリカさんだけはうちは特級を攻略しましたけど? って強気の報道をしてたけどね。まだ見つけてもないのに、中々面の厚い奴らである。
その攻略者を果たしてアメリカさんは手懐ける事が出来るのかな? 出来るならおれはアメリカさんに頭を下げても良いね。あんなの俺を手懐けるより100倍難しいもん。
「とりあえずリーダー連中におめでとうぐらい言っておくか」
スマホをぽちぽちーとして、おめでとうと言っておく。あ、後必要ならポーションとかを売ってあげて良い。今回の攻略で死者こそ出なかったものの、重傷者は結構居たっぽいからね。
別にタダであげても良いんだけど、それをすると意味の分からん自称慈善団体とかが群がってくるから。対外的にも一応売るってスタンスじゃないといけない。
まともな慈善団体なら寄付しても良いんだけどね。ってか、大抵の慈善団体にはお金も物資も寄付している。今更群がってくる奴は『シークレット』から寄付されてない所達だ。
なんで私達を無視するのかとか、差別だーとか言ってるんだけど、慈善活動なんてしてない金の亡者集団だからね。その辺は犀に調べてもらって、ちゃんと弾いてます。
「おっ。イタリア以外は売って欲しいみたいだな」
早速マーリンとバンチョフから売って欲しいと連絡があった。俺はアイテムボックスからポーションを必要量出して転移で送り込む。
「イタリアは一番攻略が遅れたけど、怪我人がほとんど居ないもんね〜」
「遠距離から魔法をズドンズドンしてるだけだからな」
デムーロの能力の特性上、近接戦になる事は滅多にない。今回はフレイムウルフで相性が良かったみたいだし。場所を移動するたびにデムーロが城を召喚して、魔力切れでしんどくなるだけだ。他のメンバーは安全重視で交代しながら討伐出来る。
「時間は掛かっても一番コスパが良い戦い方をしたのはイタリアだよな。狭間が崩壊するまでに攻略出来るならパーフェクトな戦い方だ。まあ、相性が悪い敵にはとことんダメっぽいけど」
今回は相手が狼系で獣の魔物だからなんとかなった。これからもこういう相手なら1級の狭間でもイタリアのデムーロは無双出来るだろう。
問題は相手が動かないタイプの敵だな。大阪で戦った亀とか。植物系の魔物とか。他にも色々あるだろうし、フィールドが広めじゃないと真価を発揮出来ないって弱点もある。
「まっ、なんにせよ良くやったよ。これで残りの1級狭間はハワイだけだな。さっさとアリスの姿を現してくれないと」
天魔君、ずっと警戒しっぱなしで疲れちゃうよ。
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