第170話 帰国後の騒ぎ


 「さよなら、ペルー。最高だった。今までの海外観光で一番だったかもしれん」


 2週間程の観光が終わり、本日帰国日。

 あの後も色々な場所に行った。


 レインボーマウンテンでの山登り。

 まぁ、途中面倒になって天使になって飛んだんだけど。勿論許可は取った。

 俺が飛んで桜が糸で全員を引っ張る。


 標高5100mの景色は最高だった。

 なんか地層の成分によって、色んな色が入り混じってるんだって。公英に教えてもらった。俺の語彙力じゃ凄かったしか言えない。


 ナスカの地上絵も当然見に行った。

 これまた俺が飛んで、桜がみんなを引っ張りあげて上空からしっかりと見てやった。

 縦横30kmもある滅茶苦茶でかい面積に書かれてて、この謎はまだ解明されてないらしい。どうやって書いたんだろうね。


 チチカカ湖にも行ったし、ワカ・プクヤーナにも行ったし、ワカチナの砂漠にも行った。


 これまでの海外観光はどっちかというと、飯がメインだったけど、ペルーは行きたい場所が多すぎたから。勿論ペルー料理も堪能したぞ? 有名なだけあって、どれもこれも美味しかった。


 また来たいって思わせてくれる国だったな。いや、それはどの場所もか。

 襲撃されたけどフランスにだってまた行きたいし。





 「バチカンがすごい事になってるね〜」


 「うな〜」


 で、日本に帰ってきた。

 桜と俺はポテをわしゃわしゃしながら、ニュースを見る。


 神田さんは家族にお土産を渡しに社宅へ帰って行って、陽花はお風呂に、公英は警備員の様子を見に行った。


 なんか山田花子さんが帰ってきてから、日本で襲われたみたいなんだよね。

 俺も明日、山田花子や警備員達からしっかりと話を聞こうと思ってるけど、どうやら外国人らしい。バチカン勢力じゃあるまいな?


 で、そのバチカンだけど、桜が言うように凄い事になっている。

 あの狭い国内に三つも1級が出たんだ。俺達が観光してる間にてんやわんやの大騒ぎよ。


 「行くの〜?」


 「行く訳ないだろ」


 なんかこれで俺を正式に招集出来るぞと、一部の頭お花畑な奴らが喜んでるみたいだけど。あんな迷惑行為されて行くと思ってるのかね。


 謝罪したいから是非みたいなのも連絡があったけど、謝罪するならお前らが日本に来い。

 なんで俺がわざわざ行ってやらなきゃならないんだ。


 日本に来ても会う気はないけど。


 「傲慢だよね〜」


 「んだんだ」


 「ふにゃー」


 ちょっとイライラしてきたので、ポテを高速で撫でまわす。俺のテクにポテはメロメロだぜ。


 なんか自分達が尊重されて当たり前のスタンスはどうにかなりませんかね。

 どうしても自分達が上で俺が下って構図にしたいんだろうか。


 謝罪するからこっち来いっていうのからも、なんかそういう傲慢さが滲み出てる。

 心から謝る気が無いのが目に見えてるよね。


 「それにこっちはもしかしたら山田花子さんが襲われてるかもしれないんだぞ? そんな所に行ける訳ないでしょうに」


 俺がちょっぴり指導したり、公英の筋肉感染のお陰であっさり制圧出来たみたいだけど。


 一部の人間が暴走しただけかもだが、そういうのを統制出来てないのも問題だ。

 まぁ、まだ犯人が確定した訳じゃないから、なんとも言えないけど。


 尋問に手こずってるならこのギルドに連れてきて欲しい。悪魔さんで聞き出すので。

 見られたくないから、公には使えないけど、うちのギルド員が襲われて黙ってはいられない。


 どこが手を出したか分かり次第しっかり報復させてもらう。織田天魔君を怒らせたら怖いんだぞってのを思い知ってもらおう。


 メッ! ってしてやる。


 「ポテちゃんは今回も太ってないね〜」


 「うむうむ。デブ猫になってたら美味しい異世界の食材を食べさせてあげないって脅しが効いたのかもしれん」


 君はやっぱり言葉を理解してるね?

 ペルーに行く前と全然変わってないもん。

 結構長く滞在したから絶対太ってると思ったのに。とりあえず約束を守ったご褒美として、クラーケンの足をあげよう。



 「にゃおーん!!」


 うむ。やはりお前はこれが好きだな。

 在庫が無くなる前に向こうから海の狭間でも出現してくれないと。ポテの大好物が確保出来なくなってしまうぞ。


 クラーケンはS級だから出てくるか怪しいけど。海には禁忌領域はないからなぁ。

 

 

 

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