第99話 香川から沖縄へ
広島で観光を楽しく終わらせて、その後に向かった香川。
相変わらず大歓声で迎えられて俺の承認欲求はムクムクと満たされていった。
流れは同じで学校を見回って講義。
講義はやっぱり緊張するけど、生徒からキラキラした視線を向けられればやらない訳にはいくまい。
会話デッキを構築しなおして、なんとか他の学校と同じ内容にならないように頑張った。
「さてさて香川観光だけども」
「うどんしか思い浮かばないよ〜」
それな。香川=うどんのイメージしかないんよ。
「うどんって飽きるんだよな」
「でもでも〜。色んな種類のうどんがあるみたいだよ〜」
ほほー。じゃあとりあえずうどんは食い散らかすか。
「え? やっす。一杯300円?」
「採算取れてるのかな〜?」
とりあえず入ったうどん屋。
オーソドックスに釜玉うどんを頼もうとメニュー表を見たら300円だった。びっくりである。
「10杯食べても3000円。吉野さんより安上がりでは?」
「普通は吉野さんで一人1000円あれば満腹なんだけどね〜」
ほら。俺達は結構食べるほうだから。
エンゲル係数が高めな俺達なのだ。
「まぁ、とりあえず一杯だけ食べて次の店に向かおう。なんかちょっと車を走らせるとすぐにうどん屋さんが見えてくるし」
「だね〜。色んなうどん屋さんを食べ比べだ〜」
さっと食べてさっと出よう。
俺達は外にタクシーを待たせてるんだ。
待ってもらってる間も勿論メーターは動いている。いっぱいお金を持ってても流石に勿体無いと思っちゃいますよね。
かと言って、一々毎回タクシーを捕まえるのも面倒なので。
「ふむ。ゲソ天も美味かったな。こういうサイドメニューも侮れないぜ」
「かき揚げも美味しかったよね〜。うどんもコシがあって柔らかいし〜」
タクシーの運転手に適当におすすめのうどん屋さんを回ってもらって既に7軒目。
ちょびっとお腹が膨れてきましたよ。
そして次にやって来たのはエンジェルロードと呼ばれる場所。
タクシーの運転手に使徒様ならここは行っとかないとって言われたので来てみた。
まぁ、天使に憑依してるからって事だろうな。
干潮時に海の中から出てくる砂の道で、香川では結構有名な観光スポットらしい。
なんでも大切な人と手を繋いで渡ると願いが叶うとか。早速やってみよう。
「みんなからチヤホヤされますように」
「死ぬまで牛丼を食べ続けられますように〜」
桜と手を繋いで歩いてみる。
しっかりお願い事をしておいたけど、果たして叶うだろうか。期待してますよ。
「だんちょ〜。せっかくだし天使に憑依してよ〜。エンジェルロードに天使出現! ってSNSに投稿した〜い」
「えぇ…。怒られないかな? ……まっ、いっか」
こいつが一番天使っぽいしね。
「あ、どうぞどうぞ」
他にも居た観光客の人が写真を撮りたそうにしてたのでOKしておく。
早速チヤホヤされたい夢が叶ったぜ。
エンジェルロード、本物ですわ。
「なんだかんだ楽しかったね〜」
「だな。広島同様期待はあんまりしてなかったんだけど楽しかった」
次は沖縄だ。
今回はなんと一週間も滞在予定である。
海には入れないけど見に行く事はできるし、他にも観光スポットは沢山ある。
楽しみにさせてもらうぜ。
「めんそーれつって」
「どういう意味〜?」
「知らん。あそこに書いてあった。方言か何かじゃね? 多分リップクリームの友達だよ」
口紅の事かな? 沖縄で有名なブランドなのかもね。知らんけど。
「あったかいね〜」
「服一枚で充分だな」
まぁ、俺は常に反転させてるから快適なんだけど。桜さんは薄着が基本だし、これぐらいの方が過ごしやすいのかもね。
「沖縄って龍が如○3の舞台になってるんだよな」
「え〜!? そうなの〜!? ストーリー見てから来たかったよ〜!!」
「なんだったら広島も6だったかで舞台になってる筈」
「だんちょ〜がスロットで苦戦してるから見れなかったんだよ〜!!」
「ご、ごめんなさい」
桜さんげきおこである。
そんなにハマってたとは。ちょっと意外ですな。
「あ〜あ〜。だんちょ〜だけ聖地巡礼楽しめるんだ〜」
「いや、俺も覚えてないから。最後にやったの300年前とかだぞ?」
キャラとかはうっすら覚えてても、ここは何々のシーンだ! とかは覚えてない。俺も今思い出してショックを受けてる所なんです。
「ふ〜ん。じゃあ許してあげようかな〜」
「桜さんの寛大な心に感謝致します」
よし。なら学校に向かって観光と洒落込もうぜ。
さっきから野次馬に囲まれて中々身動きが取れないけどさ。
「訛りが酷いな。何を言ってるか分からんぞ」
「言語理解も方言には適用されないんだ〜」
そうみたいだな。なんか怪しい呪文を唱えてるようにしか思えん。
これ、探索者学校では大丈夫かな。
勝手な偏見だけど、九州地方とか沖縄って訛りがえげつない印象があるし。
「鹿児島弁とか最早他国の言葉だよ」
「どげんかせんといかん〜」
それ? 鹿児島弁なの?
なんか聞いた事があるような。
有名人の名言か何かだっけ?
意味は全く分からないけど。
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