第50話 初日終了
攻略初日は中々の成果に終わった。
『暁の明星』と『協会』は俺のサポート無しでもやってけそうだし、他のギルドも回数を重ねる毎に少しずつ良くなっている。
俺がちょこちょこアドバイスしてるお陰だと分かっているのか、狭間から出ると早速ブートキャンプの申し込みをされた。
「天魔ー。わいらのギルドを鍛えてくれー。このままやったら『暁の明星』にどんどん離されてまうわー」
「勿論良いですよ。この攻略が終わったら詳しく話を詰めましょうか」
「私達のギルドも」
「お願いします!」
「了解です」
『リア獣撲滅』と『風神雷神』がいの一番に声をかけてきて、その後に『夜明けの時間』と『協会』が続く。
「織田くん。私達もお願いするよ」
「協会からも是非」
吉岡さんのトリハピはどうやって指導したもんか。坐禅とか素直にやってくれる人なのかね。銃を持ったら世紀末になる人を改善するのは中々難しいんだけど。
「吉岡さんはともかく協会もですか? 今回は問題無かったように思えますけど」
「一ヶ月指導した『暁の明星』があれだけ伸びてるんですよ? 今回の2級は問題なさそうですけど、魔物によって相性もありますし。協会は救援依頼も請け負っているので、生半可な実力じゃ駄目だと思うんです。圧倒的にレベルアップ出来るなら是非お願いしたいですね」
まぁ、今回の2級の狭間は比較的戦いやすいよね。相手はオークだし。厄介な能力も特に無くて、肉体性能が高いだけだから。
不測の事態に対応出来るようになりたいなら、更なるレベルアップをしておくべきだろう。
「分かりました。皆さんと後日話し合う機会を設けましょう。出来ればまとめてやりたいですね。俺達も少しやる事があるので」
ゲーセンに行ったり、面接したり、ゲーセンに行ったり、学校巡りをしたり、ゲーセンに行ったり。
意外とやる事が多いんだ。特に今俺がやってるRPGゲームの期間限定イベントは逃せない。
「では、今日はここで解散しましょうか。明日は慣れもありますしもっと進めるでしょう。しっかり体を休めて下さいね」
狭間前で明日の事を少し相談しつつ解散。
野次馬は相変わらずいるけど、俺と桜は気にせずタクシーに乗り込む。
「せっかく車買ったけど、遠征にくると結局タクシー移動になるな」
「主要都市には別荘的なのを作っとく〜? そこに車を置いとけばいいじゃ〜ん。後はレンタカーを借りるとか〜」
「それもありか」
でもなー。行く先々で旅館やホテルに泊まるのも観光の醍醐味だと思うんですよ。
高級ホテルとか旅館ってわくわくするんだよね。
未知の世界って感じがして。
「まっ、その辺の話は追々。今はジェットの方が欲しいしな。大金が必要だから、大きな出費は控えたいところ」
ほんと、1級の狭間10個ぐらい一気に出現しないかな。
「それで? 今日一日どうだった?」
「特に怪しそうな所は無かったね〜」
タクシーでホテルに直帰して、部屋でルームサービスを食べつつ話をする。邪な視線があったからずっも警戒してたんだけど、何も無かったんだよね。
ふーむ。今日は様子見か? はたまた俺の勘違いだったのか。いや、桜も感知してるっぽいしそれはないかな。
「仕掛けるならさっさとして欲しいな。せめて誰が何をしてるのかぐらい分かりたい」
「面倒だね〜」
どうせ老害だろ。どこかのギルドにスパイでも潜り込ませてるんじゃないの。
で、攻略に集中してる所を後ろからぶすり。
いかにも小悪党が考えそうな事だよね。
「攻略が終わるまでには炙り出したいな。多分攻略中に手を出してくれると思うけど」
老害のスパイとか指導したくないしね。
敵を成長させる舐めプは必要ないだろう。
「明日は少し隙を見せてみる〜?」
「うーん。迷う」
一応、他のギルドを預かってる立場だし。
安全面の観点からあんまり褒められた事ではないだろう。
「だんちょ〜は気にしすぎだと思うな〜。探索者なんて自己責任でしょ〜。他のギルドの人達もある程度の怪我とかは覚悟してるでしょ〜」
確かにな。おっしゃる通りなんだけど。
なんか他のギルドが怪我すると俺の名声に傷がつきそうで。2級ぐらい引率出来ないとさ。
「って事で、考えてるのは保身なのです」
「完璧を目指しすぎ〜。どうせどっかでボロが出るよ〜」
だまらっしゃい。せっかく根付きつつある聖人キャラを無駄にしたくないのです。
ゲーセンとかで遊び呆けてる人間が聖人かどうかは議論の余地があるけど。
「っていうか〜だんちょ〜が少し隙を見せたぐらいで怪我なんてしないでしょ〜」
「憑依してなかったら、そこらにいる程度の人間なんだが?」
「何かしらに憑依しておいてボケっとしとけばいいじゃ〜ん」
そこらが落とし所かね。
「あたしも〜常に見えないレベルの糸は出しとくし〜。それで対処出来るでしょ〜」
「ほんと便利な能力だな」
「んふふ〜。神様には感謝だね〜」
俺の能力は憑依ってワンクッションいるからな。
反転は未知には効果があんまり期待出来ないし。
一応、もう一回各ギルドの能力を確認しておくか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます