第37話


ヨウイチは5人とメイドさん2人が話し合っている中、家に帰宅した。

「ただいま~」

「「おかえりなさいませ、ヨウイチ様。」」

メイドさんに連れられてリビングに向かう。

「ヨウイチくん、お帰りなさい。」

「おかえりなさい~」

「おかえり!」

「おかえり!ヨウイチくん!」

(((((メイドさんたち、さっきまでそこで言い争いしていたよね・・・いつの間に?)))))

「ただいま。ん?なんか驚愕したかのような顔しているけど、どうかした?」

「な、なんでもないよ。」

「そう?ならいいんだけど・・・」

「ヨウイチくん、ギルドマスターの話って何だった?」

「あぁ・・・なんか、王城で他のクラスメートの講師をしてほしいと連絡があったみたい。」

「え、王城で?」

「うん。端的に言うと、3馬鹿を叩きのめしてしまったから、俺の強さの秘密を知りたいらしいよ・・・」

「あ~・・・」

「まぁ、断る理由もないし、引き受けるつもりだよ。」

(((((ヨウイチくんって本当に優しい・・・)))))

「それに、今現状の他のクラスメイトのステータス鑑定もできるし、情報を見てくるよ。」

「あ、確かにそうだね。」

「知らないより知っていた方がいいからねぇ・・・今後の対処の参考にもなるし。」

「ん?ヨウイチくん、今後の対処って?」

「あぁ・・・いや、なんでもないよ。」

((((絶対なんかある・・・))))

「まぁ、とりあえず講師をするのはダンジョン探索の先行権が終わってからなので、2週間後くらいからかな。」

「わかった。私たちは何か用意しておいた方がいい?」

「いや、講師としていくのは俺だけだと思うから、俺がいない間の戦力低下に気を付けてもらえれば。」

「ヨウイチ様、少しいいですか?」

「あ、はい。なんでしょうか?」

「王城に行く際は、私たちメイドのどちらかをお連れ下さい。元々、王城で働いていた為、案内できると思いますし、昼食の準備やお茶の準備等お手伝いできることがあるかと思います。」

「え、いいんですか?ぜひお願いします!」

「畏まりました。また日付がわかれば教えてください。準備しておきます。」

「わかりました。よろしくお願いします!」

「よし、今日は3層を攻略したことだし、明日はお休みにしようか!」

「了解!第4層は明後日からにする?」

「いや、第4層の攻略は3日後かにしょう。というのも、さっきも言ったけど、俺が講師として働く間は抜けることになるから戦力低下してしまうので、皆の装備を整えよう。明後日はみんなで武器屋に行こうか。」

「了解で~す。」

ギルドマスターとの話し合いを共有した俺たちは、家でゆっくり過ごした。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


第3層を攻略し、俺たちは装備を整えるためにガザルさんの店に来ていた。

「ガザルさん、おはようございます。」

「おう、おはようだ。ヨウイチ、以前注文のあった武器と防具できてるぞ!」

「ありがとうございます。早速着させてもらいますね。あぁ、あと、俺のメンバーも一緒に来ているのですけど、装備を見繕ってもらえませんか?」

「ん?ヨウイチのパーティメンバーか?」

「はい。」

「わかった、少し待ってろ!」

ガザルさんは店の裏に入っていった。

(ガザルさん、なんかいつもよりテンション高いな・・・)

少ししてガザルさんが戻ってきたが、その後ろには女性がいた。

「おう、待たせたな!こいつが俺の奥さんだ!女性らしいから連れてきたぞ。」

「あ、ヨウイチです。よろしくお願いします。」

(ガザルさんって結婚してたんだな・・・)

「よろしくね!」

奥さんは俺と同い年くらいだろうか?とても綺麗な女性だ。

「とりあえず、みんな自己紹介を・・・」

俺がそう言うと、皆が順番に自己紹介を始めた。

「じゃあ、早速みていきましょうか。」

奥さんはそういうと5人を連れて奥へと進んでいった。

他のメンバーが装備を見繕っている間に、俺は購入した防具を着ていた。

「おぉ、結構軽いな。」

俺が購入した防具は、布の服の上に革の胸当てと、鉄の籠手だ。

武器はダマスカス鋼のロングソード1本と短剣1本購入し、作ってもらっていた。

「ヨウイチ、どうだ?」

「ガザルさん、ばっちりです!ありがとうございます。」

「おう!それは良かった!」

ガザルさんは満足そうに笑っていた。

「じゃあ、お会計ですね。こちらです。」

「・・・確かに、毎度あり!」

俺は武器防具のレベルアップを果たし、満足だ。

武器のチェックをしていると、奥の方からワイワイと楽し気な声が聞こえてきた。

「みんな、どんな装備にしたのかな?」

俺が奥の部屋に行くと、そこには5人がいた。

「あ、ヨウイチくん!私たちも今終わったところだよ!」

「お~・・・皆似合ってるな。」

全員の装備が一新されていた。

5人は革の胸当てと鉄の籠手を装備しており、武器はダマスカスで統一したようだ。

「ダマスカスは時間がかかるから、受取はまだ先だけど、防具はいいのがあったんだ。」

「うん!動きやすくていいよ!」

「ダマスカスはもう少しかかりそうだから、それまではこの装備でいこうと思う。」

「了解だ。じゃあ、ガザルさんにお礼を言って帰ろうか。」

5人はガザルさんにもお礼を言って防具のお金を払って帰っていった。

(これで皆の戦力も上がったし、第4層攻略の準備も整ったな・・・)

ヨウイチたちは武器屋で装備を整えられて満足だった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



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