第34話
オークのパーティを倒した後、草原を探索していが、普通のオークが数匹いたくらいで他は特に何もなく、反対側の壁まで来てしまった。
「う~ん・・・何もいないね・・・」
「そうだな・・・もう反対側の壁まで来ちゃったな。よし、時間も時間だし、ここで野営することにしようか。」
「そうだね。」
「じゃあ、テント出すよ。」
【アイテムボックス】からテントを取り出した。
野営の準備も終わり、食事の準備をしながら、今日の反省会を始めた。
「みんな、今日はお疲れさまでした。」
「お疲れ~」
「お疲れ様~」
「お疲れ様!」
「お疲れ~!」
「ライムちゃんもお疲れ~」
5人は俺の頭の上にいるライムを撫でていた。
「今日の探索はどうだった?」
「ん~・・・ライムちゃんをテイムした後は特に何もなかったね・・・」
「そうだね。」
「しかも草原を歩いているだけだから、周りに何もなくて飽きてきちゃったよ~」
「あはは、確かに飽きるよな。」
「第2層の森も、なんか迷いそうで気が気じゃなかったけどね~」
「でも、ライムちゃんをテイムしてからは楽しかったよ!」
「うんうん!スライムってこんなに可愛いんだね。」
5人は楽しそうに今日のことを話していた。
俺はそんな5人を見ながら料理を作りながら話を聞いていた。
「よし、料理もできたぞ。」
「やった~、今日は何を作ったの?」
「今日はオークの肉を使ったステーキとサラダにスープだ!」
俺は5人の前に料理を並べていった。
5人は目を輝かせながら見ていた。
「わぁ~!美味しそう!!」
「うん!早く食べよう!」
5人は待ちきれないのかソワソワしていた。
「ライムにもあるからな~」
俺はライムにオークの肉で作ったステーキとサラダを分け与えた。
「じゃあ、いただきます!」
「「いただきまーす!!」」
5人は元気よく挨拶し、料理を食べ始めた。
(ふむ・・・やはり女子は可愛いものが好きなのかな?)
食事も食べ終わり、ライムを撫でてゆっくりしていたら、サヤカが話しかけてきた。
「ねぇ、ヨウイチくん。」
「ん?どうした?」
「ライムちゃんって水浴びとかお風呂は入れるの?」
「え?風呂?」
(ふむ・・・確かにスライムは水浴びが好きなイメージはあるが・・・)
俺は少し考え始めた。
(う~ん・・・そもそもスライムに風呂が必要なのか?)
「ん~ライムどうなんだ?水浴びしたいか?」
ライムはプルプルと揺れていた。
「ん~・・・多分、水浴びは必要ないみたいだな。」
(ふむ・・・やはりスライムには風呂はいらないのか?)
「そっか・・・」
サヤカは少し残念そうだった。
「まぁ、なんでも溶かすからな、自分に付いたゴミも溶かしているから綺麗なんだろうな。」
「なるほど・・・確かにスライムって汚れとかに強そうだもんね。」
「そうだな。」
俺はサヤカとライムを見ながら笑っていた。
(ふむ・・・スライムって不思議だな・・・)
その後はたわいもないことを話しながら過ごし、寝る時間になると交代制で2人の見張りを立てて就寝した。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
一方その頃、冒険者ギルドではヨウイチがギルドに来ないか、ソワソワしながら待っていた。
昨日、メイがギルドマスターから聞いた話でヨウイチが来たら連絡しないといけないからだ。
「ヨウイチさん来ないね。やっぱり予定通りダンジョン第3層の攻略をしているのかな?」
「そうかもしれませんね。」
「ヨウイチさん、第3層を攻略するまで帰ってこないのかな?」
「どうでしょうか?でも、ヨウイチさんなら攻略しそうですけどね。」
「うん・・・そうだね・・・」
メイとエリはヨウイチが来ないことにヤキモキしながら待っている。
そこにギルドマスターが降りてきて状況確認のため、メイに話しかけた。
「メイ、ヨウイチは今日ギルドに来そうか?」
「あ、ギルドマスター!やはり、ダンジョン攻略に行っているみたいですね。普段なら来ていてもおかしくない時間です。」
「ふむ・・・昨日聞いた話だとアガルタ王都ダンジョン第3層の攻略に行ったんだったか。」
「ええ、攻略するまでは戻ってこない可能性が高いです。」
「そうか・・・どのくらいかかるかわからんな・・・。王城にはそのように伝えておこう。」
「はい、お願いします。」
メイとエリはギルドマスターに頭を下げた。
「うむ、では私は戻るぞ。」
ギルドマスターはそう言うと、戻っていった。
「はぁ・・・ヨウイチさん来ないね・・・」
「うん・・・そうだね・・・」
攻略がどのくらいかかるかわからない状況でヨウイチを待ち続けるのは非常に退屈であった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ヨウイチがダンジョンの第3層を攻略している中、王城では3馬鹿が必死に掃除をしていた。
「くそ・・・なぜ俺がこんなことをしないといけないんだ・・・」
「全くだ・・・俺たちは勇者だぞ・・・」
「くそったれが!」
3馬鹿は文句を言いながらも掃除をしていた。
すると、そこに国王がやってきた。
「おい!お前ら!真面目に掃除をしているのか!?」
国王が3馬鹿に怒鳴りつけた。
「・・・はい、もちろんです。」
(くそ・・・なんで俺たちが掃除をしないといけないんだ・・・)
「ふんっ!ならいいが、サボったらどうなるかわかっているな?」
3馬鹿は無言で頷いていた。
(くそったれ!あの野郎・・・調子に乗ってやがる!)
3馬鹿は国王の後ろ姿を見ながら思っていた。
「次はトイレか・・・お前、掃除しにいけよ。」
「え、やだよ。ここのトイレに入るのも臭くて嫌なのに、何で俺が?」
「俺だっていやだよ!」
3馬鹿はトイレ掃除を擦り付け合いながら、しぶしぶトイレ掃除を始めた。
「はぁ・・・なんで俺たちがこんなことしないといけないんだ・・・」
3馬鹿は文句を言いながら掃除をしていた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
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