第8話
ブラブラしながら歩いていると、後ろから声をかけられた。
「ヨウイチ!」
(ん?リンさんかな?)
振り返ると、リンさんとガインさんが立っていた。
「ヨウイチ、今から暇か?」
「はい!特に予定はないですが・・・」
俺がそう言うと、ガインさんがニヤッと笑った。
「よし!じゃあ、飯でも食いに行くぞ!!」
リンさんが笑顔で言った。
「ヨウイチもそれでいいわよね?」
(え?いいのかな??)
そんなことを考えていると、ガインさんが俺の背中をバンッと叩いた。
「おい!!早く行くぞ!!」
(痛いなぁ・・・てか、なんでこの人こんなにテンション高いんだよ・・・)
「わかりました!行きましょう!」
痛い背中をさすりながら返事をすると、ガインさんが話しかけてきた。
「ところで、ヨウイチはリンのどこを好きになったんだ?」
(え?いきなりなんだ??)
「ちょっと!!変なこと聞かないでよ!!」
(あれ?なんか怒ってるな・・・)
そんなことを考えていると、ガインさんがニヤニヤしながら言った。
「お!顔が赤くなったぞ!リンのやつ、照れてるな!!」
(え?そうなの??)
「もう・・・ガインさん!!」
リンさんが顔を赤くしながら怒っていると、ガインさんは笑いながら言った。
「すまん!すまん!」
(なんか、仲良いな・・・)
そんなことを考えていると、ガインさんが話しかけてきた。
「それで、ヨウイチはどうなんだ?」
(うーん・・・なんて言えばいいんだろう?)
「えーっと・・・その・・・」
(うーん・・・)
「ヨウイチは私のことが嫌い??」
(え?いや、そんなことはないけど・・・)
俺が言葉に詰まっていると、ガインさんが笑いながら言った。
「はっはっは!!答えはでたようだな!!」
(えぇ!?答えってなんだよ!てか、別に嫌いじゃないしな・・・まぁ、いいか!)
「そうですね!助けてもらった恩もありますし、リンさんのことは好きです!!」
俺がそう言うと、ガインさんがニヤニヤしながら言った。
「ほぉー・・・そうか!いい返事だ!」
(なんか、恥ずかしいな・・・)
そんなことを考えていると、リンさんが顔を赤くして言った。
「もぅ・・・ヨウイチったら・・・」
(あれ?もしかして、怒らせてしまったかな??)
そんなことを考えていると、ガインさんが言った。
「よし!着いたな!飯食うぞ!!」
(え?切り替え早っ!!てか、このオッサンはどんだけ飯好きなんだよ・・・)
「はい!」
俺が返事をすると、ガインさんが店の中に入っていった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
Aランクの2人と食事をしてから数日が経ち、オークの集落討伐の日になった。
俺は朝早くにギルドに行き、受付嬢のメイさんに話しかけた。
「おはようございます!」
「おはようございます!ヨウイチさん!!」
周りを見ると、ギルドにはガインさんとリンさんがおり、誰かを待っていたようだ。
ガインさんが話しかけてきた。
「よし!じゃあ、オークの集落討伐に向かうぞ!」
(おぉーやる気に満ちてるな!!)
そんなことを考えていると、リンさんが笑顔で言った。
「えぇ!ヨウイチも一緒に頑張りましょう!!」
(うん?なんか俺も一緒に行くことになってる??)
「あの、俺は何をしたらいいんですか?」
ガインさんが笑いながら言った。
「はっはっは!お前は俺たちについてくればいい!!」
(え?そうなの??まぁ、いいか!)
「わかりました!」
俺が返事をすると、メイさんが話しかけてきた。
「では、3人でお願いしますね!」
3人が頷くと、メイさんは手続きをした。
「では、気をつけて行ってきてください!!」
(なんか、心配されてるみたいだな・・・)
そんなことを思いながら3人でギルドを出ていった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
町を出て森まで歩いていると、ガインさんが話しかけてきた。
「ヨウイチ、オークの集落は森の南西にあるぞ!」
(え?なんでわかるんだ??)
そんなことを考えていると、リンさんが話しかけてきた。
「ガインさんは広範囲の索敵スキルを持ってるのよ!」
「なるほど!そんな便利なスキルがあるのですね!」
ガインさんがニヤッと笑った。
「他の冒険者もいるみたいだな・・・よし、こっちだ!!」
ガインさんが歩き出したので、俺たちもついて行った。
(おぉ!なんか頼もしいな!!)
そんなことを考えていると、ガインさんが話しかけてきた。
「ヨウイチはオークを倒したことあるか?」
「いえ、前にリンさんに助けられてからはゴブリンで武器を慣らしていました。」
「はっはっは、そうか!まぁ、リンがいるから大丈夫だろう!」
そんな話をしていると、森に着いた。
森の中に入り少しすると、ガインさんが立ち止まった。
「ここからは慎重に行くぞ!」
「ヨウイチは私が守るから安心してね!!」
どうやらこんな浅い場所にもオークがいるらしい・・・
しばらく歩いていると、ガインさんが立ち止まった。
「よし!この先にオークが一匹いるぞ!」
「ヨウイチ、オーク一匹みたいだし、戦ってみる?」
(え?俺が戦うの??)
「リンさん、俺なんかがオークと戦っても大丈夫なんですか?」
リンさんが微笑みながら言った。
「大丈夫よ!私がサポートするから!」
そんな話をしていると、ガインさんがニヤッと笑った。
「よし!じゃあ、行ってこい!!」
(えぇ・・・マジで行くのか・・・)
そんなことを思いながら、俺はスティレットを抜いた。
(とりあえず、鑑定!)
----------------------------------
【名前】なし
【種族】オーク【年齢】2歳
【レベル】12/100
【職業】 なし
【状態】良好
身体能力
【HP】370/370
【MP】130/130
【攻撃】370+182
【防御】285
【魔攻】14
【魔防】27
【敏捷】75
スキル
【剣術】【怪力】【繁殖】
----------------------------------
(この前のオークより少し強いのか・・・)
そんなことを思っていると、ガインさんとリンさんが話しかけてきた。
「オークは手強いぞ!油断するなよ!」
「ヨウイチ、頑張ってね!!」
(よし!やるか!!)
俺は覚悟を決めて歩き出した。
すると、オークが俺に気づいたのか雄叫びを上げた。
(うぉ!!びっくりした・・・てか、うるさいな・・・)
不快に思いながらも、オークに向かって走り出した。
「グォー!!」
オークが叫びながら剣を振り下ろしてきた。
(おぉ!結構速いな!!)
横に飛んで躱した。
「グォ!!」
オークは振り下ろした剣を横に薙ぎ払ってきた。
(うぉ・・・危ねぇ!!)
バク転をして躱し、そのまま後ろに下がった。
(ふぅ・・・なんとか躱せたな・・・さてどうしようか・・・)
オークは雄叫びを上げながら、剣を振り回している。
(うーん・・・とりあえず一発当ててみるか・・・)
スティレットを構えて、再度オークに向かって走り出した。
(よし!行くぞ!!)
「グォ!!」
オークが剣を振りかぶって振り下ろしてきたので、横に飛んで躱した。
そして、すかさず顔面に蹴りを入れた。
「グォ・・・」
(おぉ!結構飛んだな!!)
オークは顔面を蹴られ、フラフラしている。
(よし!このまま一気に決める!!)
スティレットを構えて、オークに向かって走り出した。
そして、すれ違いざまに首元に刺した。
「グォ・・・」
オークはドサッと倒れた。
(ふぅ・・・なんとか倒せたな・・・)
俺が一息ついていると、リンさんとガインさんが近づいてきた。
「ヨウイチ、やったわね!!」
「あぁ!オークを1人で倒すなんて、なかなかやるな!!」
「ヨウイチ!怪我はない?」
(おぉ・・・なんか心配してくれてるみたいだな・・・)
「大丈夫ですよ!リンさんが武器のアドバイスをくれたおかげで倒せました!ありがとうございます!」
すると、ガインさんも笑顔で言った。
「はっはっは!!まぁ、初めてにしては上出来だな!!」
「ありがとうございます!」
そんな話をしていると、ガインさんが話しかけてきた。
「よし!じゃあ、このまま集落まで進むぞ!!」
リンさんと俺が返事をすると、ガインさんは歩き出した。
(さて・・・俺も行くか!)
そうして集落まで行く道中、オークが1匹の時は譲ってもらい、倒しながら進んだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
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