(二)

 繁華街の人混みの中を、北郷はかき分けるようにして駅の方に向かっていった。

 その中で北郷は携帯電話を取り出してかけた。

 相手は田吉。昔からよくつるんで遊んでいた友人だ。

 電話は八コール目で繋がった。

「トラブルが起きた。かくまってほしい」

 北郷は挨拶もせずに用件だけで伝える。

「いいよ、来なよ」

 田吉は事情も聞かず、そう言ってくれた。

 北郷は田吉のアパートに向かうことにした。




 北郷は翌朝、玄関チャイムが鳴る音で目を覚ました。


(続く)

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