1章:異世界と、魔法と、商人と、
プロローグの章
1話:おふね
〜まえがき〜
第0話ってのを作ってみました。
初見の人はそっちから読んでね。
ギシギシ、ギシギシと、何かが軋む音で私は目を覚ます。
起きてすぐに、周りを見渡す。
ここは木だけで作られた部屋のようだ。
いや待て待て待て!!絶対この時点でおかしい!!なんだこれ!?
なんで私こんな所にいるんだ!?誘拐か!?誘拐されたのか!?
落ち着け、落ち着くんだ私。
…。
…記憶を整理しよう。というかまとめよう。
私の名前は…あれ、名前が出てこない…天才美少女(自称)で趣味はまあ…ラノベとか一通り嗜んだり…?
んでさっきはえーっと…何かどういう流れかは忘れたけれど、私はさっきまで家族旅行してたよな。
ま、私中2くらいだし、そこまでおかしい事じゃないよな?
ん?ちょっと待って?私高2だった気がするぞ?え?中学…てかあれ?そもそも私って学生か?
…何でこんなこと覚えてないんだ?えぇ!?
で何かよく分からんけれど客船に乗ったわけだ。確かさっきも言ったが旅行で。
で…あー私酔ったんだった。
そう。私クソみたいに船に弱かったみたい。
で、部屋に戻ったんだっけー?
で、後は…?…何だっけ。
やばいな。ぜんっぜん覚えてない。
あー、私引きこもりとまではいかないけれど別にただ家と学校を往復するだけで、最近特に何も考えず行動してたからなー。
この旅行の久しぶりのだった気がする。覚えてないのも無理ないかも。
で…えーと…どうしたんだっけ。
思い出せ。あー…船が…揺れ…あ、そうか船が揺れたんだ。
波とかじゃなくてもっと激しく。
それから…通路が90度回ったような…縦に。あれ?もしかして転覆?
で…あれ?これ以上…覚えてない…。
よしわかった。探索だ。探索こそが事態を打開するに違いない。
という事でまずはこの部屋を見て回る。
と言っても結構狭めの部屋だけど。
箱がいくつか置いてあって、窓一つ、ドア1つ。これだけ!
まず箱の中を覗く。
リンゴみたいな果実がいくつか入っていた。
…以上になります…!
何の解決にもならなさそー…じゃあ窓…外は…。
あ、海だ。船ではあるのかここ。
えじゃあ…ここ木造船?
でも多分ここ大型だし…こんな木造船今あるの?
あ、ネットかなんかで見た掃海艇ってやつならワンチャン?…いやまさかそんな。
はぁ…解決しねぇ…。
残りは外への扉…か。
何かなー、すごい嫌な予感がするんだよなー。
いや行くよ?行くけどさ…。
扉をちょっと開けて、そろーり。
廊下か、うわ長っが。やっぱこの船でかいよ…。
とりあえずこの梯子登るとしよう。
外に出ればわかるでしょ…ほら甲板だ。
箱や樽やロープが点在して、大きなマストが2つ…えマスト!?
マストってことはこれ帆船!?飾りじゃ無さそうだし!?
あー観光船か!?昔を再現したツアーてきな?スタッフさんとかいないの?
と、私はマストの根元に貼られている紙を見つけた。
船の案内図かな?それかツアーのパンフレットみたいなやつ?
えーっと…
〜〜〜〜〜〜〜〜
【中型商船アラグナ=デアルッス メインマスト見張り当番表】
6時〜ダリオ・トエニ
8時〜リビオ・オルトラーニ
10時〜ロッコ・グリッロ
12時〜ダニエル…以下略
〜〜〜〜〜〜〜〜
あ…?
商船…?
はい。
これは…そういうツアーと言い張るにはあまりにも…。
…いやじゃあ何なんだよ!?
そもそもさ!
何?商船って!?
何?この外国人っぽい名前!?
何?アラグナ=デアルッスって!?
ものすごーく嫌な予感がする。ここは地球じゃ…
いやちょっと待った!まだ私は諦めてないぞ!
そもそも公用語が日本語じゃねえか!!つまりここはアレなんかじゃなくて日本d…
《…条件を満たしました。スキル【鑑定】を取得しました。》
《動作確認を行います。【鑑定】を発動しました。》
な、なんか聞こえた…。
理解が全くできていない私の頭に追い討ちをかけるように、目の前に画面のようなものが浮かび上がる。
カンテイ?今鑑定って言ったよね?
で鑑定って…あの鑑定だよね?
私以外と結構ラノベ読むからわかるよ!?
転移後の初期装備としてよくある鑑定だよね?たまに無いラノベもある鑑定だよね?
それで今そのラノベと既視感感じてるんだよ!?えマジで何!?
発狂…した方がいい?
ストップ!一回落ち着いて考えてみよう!
はい、話を整理させていただいて。
…いや整理できるか!!
異世界に飛ばされてこれ私結構冷静な方だと思うよ!?
ええそうですよ認めましたよここは異世界ですよそれで良いんでしょ!!
ああああああああああああ!もおおおおおお!
いやラノベのみなさんもっと冷静だったわ!転生初見なのにいつものパターンってなんだよ…じゃなくて!
帰らなきゃ!家に帰らなきゃ!あったかい我が家が私を待ってるんだ!!
待ってる…いや待て私の家ってどこだ?どこにあった!?
覚えてもいない、帰れる気もしない我が家なんて…行く必要あるのか…?
そうですね!それなら良いですよ!色んなラノベの主人公の如く幸せに暴れまくってやりますよぉぉぉぉ!
郷に入っては郷に従え!その究極版!
そうと決まれば神に会って…チート能力もらって…。
ってどうやるんだよそれ!しらねぇよなんだチートスキルって!
ってか神おい!出てこい!人のこと異世界飛ばしといて何シカトきめてんだおい!
今なら許してやるから今すぐ出てこい!そして私にチート能力を授けろ!!
今んところ邪神だぞお前!!もおおおおお!!
はぁ…。
ま…まあ今は一旦鑑定結果らしき物を見てみるか?
完全に意識外だったが、ずっと視界にウインドウが表示されてる。
────────
【アラグナ=デアルッス】
分類:船
中型の奴隷商船。神力エンジンを積んでいない帆船タイプ。
元々は雑貨などを輸送していたが、需要の変化により改造された。
船底付近の部屋を改造し、奴隷を詰め込んでいる。
全長約30m。船員15名。
────────
へ?
ドレイショウセン?今奴隷商船って?
────────
【壊れた拘束の輪】
分類:ゴミ
────────
【拘束の輪】
分類:小型魔道具
付けられたものの逃亡を防ぐための輪。
腕、足、首のどこかに付ける。
革製の輪に加工魔石をはめるだけというシンプルな構造。
登録した主人の一言で各種デバフと電気ショックを発動できる。
主人の命令に強制的に従わせる【支配の輪】が買えない人向け。
────────
【魔石】
分類:魔石
魔物の体内に一つずつ入っている魔力器官。
この世の魔力を操作するには、なんらかの方法で魔石を用いる必要がある。
人間は元々魔石を持たないため、魔法を扱うために杖などに魔石をつける。
加工すれば、例えば指定の魔法を即座に発動できるようになる。
────────
【販売用奴隷服】
防御力増加+0
────────
【販売用奴隷服】
分類:防具
買い手の付いていない奴隷が着る服。
麻で出来ており、使い回しされる。
使い回す時に洗うのは、奴隷へのせめてもの情けだろうか。
────────
奴隷…販売用…!?
あやば、誰か来…!
咄嗟に近くの樽の影に隠れる。
「おーいリビオー。交代だぞー。」
え。とりあえずこれ見つかっちゃダメなやつだよね!
多分私は逃げ出した奴隷ですよそうですよ!
何でこんなことになってるのよ!
ねえ!何で!…何で!!
あとがき
この作品、元々なろう用だったんであとがきがあるんですよね。
世界観補足用の説明と、作者の戯言があるんですが、
元々カクヨムにはあとがき欄がないため説明だけ簡潔に書くことにします。
戯言も読みたいとかいう物好きは、作者ついったXの更新通知か、なろう版を読もうね!!
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