第3話 普通の17。

5分もせずインターホンが鳴りドアを開けた。「湯加減はどうでしたか?」彼は聞いた。「ゆっくり疲れたわ。ありがとうヒジリ」と答えると彼は笑った。「やっと敬語が抜けて安心しました。さぁ行きましょう。あと何かあった時の為にこれを常に身に付けてください。」ヒジリと共にエレベーターに乗り、ヒジリは地下を押した。ヒジリの指摘があり気付いたが彼に敬語をつけていなかった。今更なので敬語はヒジリに使わないことにしよう。彼は自分のネックレスを外し、私に渡した。「これになんの意味があるの?」私は聞いた「お守りです。結構効果があるんですよ。ものは試しです。あと無くさないで下さいね。それ私の大切なものなので。」なぜそんなものを今日であったばっかの私につけるよう言ったのかわからないがとりあえずつけることにした。地下に着くと顔のついたロボットが一体とバイクが2台あった。1台は映画で見たことがある。彼のガレージには名前はわからないが恐らくバイクの工具に使うようなものが壁に立てかけてあった。未来から来た最新殺人兵器と旧型殺人兵器が未来の指導者を守る為兵器同士が戦う映画に出てきたバイク。確かハーレーとか言ってたわね。あともう一台は日本のバイクかしらVMAXと記載があった。

「ここは私のガレージ入ったのは…アリスが初めてです。このロボットはアナ。結構優秀なんですよ。何か感想でもありますか?」と聞いてきた。答えようとするが「時間がありません。早急に移動を開始してください」と女性のような機械音が喋った。「わかりました。ナビを頼みます。アナ。安全に「早く・正確。ですねマスター。かしこまりました。」とアナと名乗るものは先ほどのガタイはなんなのかヘルメットへと変わった。それを被り彼はハンドルにかけてあったヘルメットを私に投げた。ヒジリは日本のバイクに跨りエンジンをかける「アリス。走行中はヘルメットをお願いします。そして後ろに座ってください。」と言われたので言われるがままになる。「私の背中に体重預けるように腕はお腹に回して下さい」言われるがまま全てを預けた。「それでは出発です。目的地は国会議事堂です。」ガレージから出て目的地に向け移動を開始した。

 走行してヘルメットから声がした「聞こえる?」とヒジリが聞いてきた。「きえる」と返事を返した。「ガレージの感想を聞いてなかったのでここいらで少し雑談でもしようかと思いまして」と言われたので「ヒジリは貴方年齢いくつよ」と住んでる部屋といい、バイクといい年齢にしてはいいとこに住んでる事。免許の取得も怖いので聞くことにした「協会の連中のせいですよ、私だけ1年生なんですよ。勉学的には普通の17。」2つ上とは思わなかった、なんか少し意外。「ここからは雑談できる余裕はありません。しっかり捕まってください」と彼は言いお金を払いゲートが開いた。ゲートが開き少し経てばスピードを上がり始めた。力を込めて彼のお腹にしがみつく。楽しいと思ったのも束の間だった。しがみつくことで私は必死だが見えなくても感覚で後ろから何かが迫ってきてるのがわかる。怖いと有無を言わさない何かがおってきてる。「ヒジリ!!後ろから悪魔が追ってきてる。」私は叫ぶ。

「あれは悪魔なんて生やさしいものではないです!アリスさん少し手を伸ばすことはできますか?一旦しがみつく事を解いてください。」と彼は力強く言った。怖い。所詮私はトラブラー。他人に迷惑をかけ兄たちみたいに彼を殺すんだ。不幸なことを考えると「お兄ちゃんから離れろ。この疫病神」と女の子の声が聞こえた。死ぬんだろうな私。結局なんのために日本まできたんだろうバカみたい「アリス様。聞こえますか?アリス様。」アナの声がした「マスターは簡単に死にはしません。伊達に死地を潜ってません。2人まとめて死ぬならせめて死ぬ前にできることをしてから死にませんか?」とアナは提案してきた。

それもそうだ。アナの言う事は納得だ。

彼の役に立てるなら何かしたい!こんな事が起きるのもトラブラーだから。けど死ぬくらいなら最後に私は勇気を振り絞り手を離す。その瞬間彼は私の右手をハンドルに握らせた。「ヒジリ!私は運転なんて「アナと私を信じてください左は私が操作してますから。にしてもあれがここに来るなんてアリスは何者ですか?」

ヒジリは運転席から身をおり後ろに振り向き足を後方ブレーキに置き身を支える。「私を助けたあの術は?」と聞くが「数が多いあれ相手には効かない」と言われた。「マスター推奨はしませんが。」とアナは言う私にはわからない秘密の術があるっぽいようだ「今はこいつらと遊んでられるほど時間はありません。まとめてしばき倒します。斬首かまいたち」とヒジリは言い白いチリのようなものが落ちてきた。彼は体勢を戻し私の手に自分の手を重ね私の手を自分のお腹に戻した。気づかなかったが右も彼の手の上に乗せていた。ありがとうと一言言い

国会議事堂へバイクを走らせた。お兄ちゃんとはどう言うことなのか時間稼ぎとはなんなのか、それを聞くにはまだ私は関係値ができていないと思った。

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