第2話 アリスと呼んで下さい

ヒジリの手を取り私は礼を言う「ありがとう。ヒジリ、あとごめんなさい忠告を無視して彼等は一体。」私の質疑に被せるように答えた。「彼等はこの地にまだ住むあやか…あーなんて言ったらいいんだ。えーと悪霊と言ってもわからないですよね。」疑問に上手く答えようとするが外国から来たばっかの私にわかりやすく例えようと頑張るヒジリ。私はなんとなくだがわかるわたしたちで言うところの「悪魔」とボソッといった「そう!!それです。そういうやつです!!スカーレットさんありがとうございます。私はそう言う悪魔退治を非正規で行なってるパトローラーです。」と彼は学校でのお転婆キャラとは違い敬語で凛々しく私の目の前にいた。「見られちまったわけですかい。旦那。上の連中がカンカンです。今すぐ協会へ向かってくだせぇ。」彼の後ろから野太い声が聞こえるが人の姿が見えない「下ですぜ。」と声がしたので下を見たら「猫が…喋ってる。はぁーもうなにが起きても驚きません。」私は呆れてそれしか出なかった「時間をください。正子までには向かうとジジババ連中には言っといてください。この娘への説明が足りていませんので。妖の邪気に触れた以上作業がありますのでよろしくお願いします。」彼の言うショウシ?はわからないがアヤカシとはまぁ悪魔のことだろう。作業とはなんなのか私にはわからないので黙っておくことにした。「なるはやで頼むぜ旦那」と黒猫は言い消えていった「さて、まだまだ説明したいことがたくさんあるわけですが、今は戌の刻じゃなくて20時ですからあと4時間でジジババ連中に言い訳とかしないといけないですからとりあえず家に来てその邪気を払います。えーとつまり、汚いモノに触れたので簡易的ではありますがシャワーを浴びてもらいます。そして私のバイクで移動すれば完璧です。スカーレットさん「アリスです」この男は自分のことはファーストネームで呼ばす癖に自分は頑としてファミリーネームで呼ぶことが私は気に食わない。父と母が真剣に考えた私の名前だ。それなりのプライドがあるので訂正を促すことにした「あなたはヒジリと呼ばします。しかしなぜ私のことスカーレットと呼ぶのですか!アリスです。アリスと呼んでください!!」と彼に詰め寄った。気迫に参ったのか時間が惜しいのか知りませんが「アリスさん」と彼は訂正を促し「とにかく時間に猶予はないので移動しましょう。」と彼は言い彼の家に移動することにした。日本語はなんとなくでしかわからない私でも言いたいことはわかるあんな気持ち悪いものに触れそうになった、今すぐにでも体を洗いたい気分だ。彼の隣を歩きながら「私の説明で不明な事はありませんか?」補足をしてくれるそうだが私はそれよりもさっきから気になることがある。なぜ敬語なのか聞いてみることにした。「なぜ敬語なんですか。学校ではあんな気さくなのに。おかしいですよ」と「人は見たい様に見てみたくないモノに対しては蓋をする生き物です。日本社会は良くも悪くも横並びでできているんですよ。その輪から外れたらおかしいと糾弾してね。あれは私を守るための自衛なんですよ。おっとそうこうしているうちにつきました。我が家です」と紹介されたのは一見普通のオートロック付アパートメント。ヒジリはロックナンバーを入力し解錠。エレベーターで5階まで上がり彼の部屋まで案内された。ドアを開けるとどこが汚いのか問いたいレベルで綺麗だ。靴置きの上には家族写真だろうか。ヒジリと彼と同じ茶色で髪の毛が肩までかかってる女の子と2人が写ってる写真があった「まぁ汚いですけどゆっくり浸かってください。お風呂は常に使えるようにしてあるのでボタンは触らないで下さい。セクハラのつもりはないのですが、あのーなんて言いましょうか」はっきりしない物言いになんと無く察した下着のことだろう「下着くらい予備はあるので構いません。上に着る物さえ貸してもらえるならそれで結構です。」と私は言った。一息つき彼は「つかてください。」と上下白色の和服っぽいがゴシックの服を貸してくれた。上は少し肩の露出はあるがボタンで止めるタイプの上着にしたはスカートみたいなズボンだった。服のセンスはなんと無く今の服を見てないと思ったがここまでダサいとは思わなかった。命を助けてもらった恩義があるためそこは触れないのでおいた。「では私は下に行って準備してますのでご準備できましたらその電話で0を3回押してください。お風呂はその左のドア。トイレは1つ隣なので使ってください。シャンプーは青色リンスは水色ボディソープは白なので適当に使ってください。タオルは自由に使ってください。籠か洗濯機に入れといてください。あと化粧は無しでお願いします。ではあとでー」と彼は言い出ていった。

彼の言う通り一通り済ます。お風呂の中にはゆずと丸っこい文字で書かれたシャンプー一式があった。写真の子の物だろうか?何かあると面倒なので使わないでおく事にした。お風呂は本当に暖かく気持ちよく入れた。今日は疲れたけど明日はどうなるのか不安だ。「来るんじゃなかった」と私は思いつつ、まだ彼と一緒にやることを思い出し風呂から出て身体を拭き、髪を乾かし電話で0を3回押した

発信の音が流れたあと呼び出し音が流れ彼が出た。「疲れはとれましたか?向かいに行きますのでしばらくお待ちください」と彼は私の返事待たず切った。

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